SAPが機械学習とロボティックプロセスオートメーション(RPA)のポートフォリオを強化するため、Contextor SASを買収したことを発表した。
SAPは現地時間11月19日、この買収により、機械学習と自動化をベースとする企業向けのアプリやソフトウェアを開発するためのプラットフォームであるLeonardo Machine Learningのポートフォリオの開発が加速されると述べている。
金銭面の詳細は明らかにされていない。
フランスのオルセーに拠点を置くContextor SASは、RPAとロボティックデスクトップオートメーション(RDA)を手がける欧州の小規模企業で、「Microsoft Remote Desktop」環境やCitrixの「XenDesktop」「XenApp」に対応する製品を提供している。
2000年にPatrick Lemare氏によって創設されたContextorは現在、ビジネスプロセスに自動化を使用するボットを10万以上デプロイしている。
SAPによると、ContextorのRPAテクノロジはSAPと非SAPのアプリおよび環境間のインターフェースのやりとりを簡素化するのに使用されるという。
さらに、この買収によって、10月に発表されたSAPのLeonardo Machine Learning機能の拡張も加速される。このとき、「SAPのポートフォリオ全体で反復プロセスの自動化を促進するため、RPAに投資」することについても発表された。
インテリジェントなRPA機能は2019年前半に「SAP S/4HANA」に組み込まれた後、そのほかのSAPアプリケーションにも追加されていく予定だ。
しかし、今回の買収で最も興味深いのは、SAPが今後の3年間で、ContextorのRPAテクノロジを使用して、SAP ERPソフトウェアに関連する全プロセスの少なくとも半分を自動化する計画であることだ。
SAPの機械学習部門を統括するMarkus Noga氏は、「Contextorによって加速されるインテリジェントなRPAを利用すれば、企業は高度な自動化を達成して、インテリジェントな企業になることができる。今回の買収はプロセス自動化の実現に向けた大きな一歩であり、SAPがSAP S/4HANAをはじめとする自社のアプリケーション群にRPA機能を注入する助けになるだろう」と述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。