アイシン・エィ・ダブリュ(AW)は、グループ経営基盤として「SAP S/4HANA」を導入した。SAPジャパンが発表したもので、同基盤は「SAP HANA Enterprise Cloud」上で本格稼働している。
AWでは、「SAP S/4HANA」を新会計システム(ERP)として活用する。導入では、野村総合研究所がシステム化構想初期から参画し、導入プロジェクトのスコープ定義と日程の策定、システム全体におけるITガバナンス、標準業務プロセスへ積極的な誘導による追加開発削減の推進など、新システムの本格稼働まで一貫してプロジェクト全体をリードした。
新ERPシステムは、極めて短期間のうちに稼働を開始することになった。スムーズに本社からグループ企業へ展開する必要性があり、AWは、「SAP S/4HANA」について豊富な標準業務プロセスを備え、将来性・拡張性にも優れていると評価している。
「SAP HANA Enterprise Cloud」の活用については、迅速な構築と安定的な稼働が保証でき、「さらに専門の技術スタッフによる運用サービスも享受できる」マネージド型のクラウド基盤サービスとして評価した。AWは、これまでSAP導入経験はなかったものの、「SAP HANA Enterprise Cloud」の活用で、稼働環境の構築を確実なものにできたとしている。
導入プロジェクトは、2017年6月の開始(キックオフ/要件定義開始)からわずか1年後の2018年7月に完了した。AWでは、日次処理完結を始めとした各方策(会計情報収集の自動化・業務の標準化・平準化等)の実現による業務効率化を進め、さらに新しく実装された実績分析・予算管理機能を活用し、これまでよりも精度の高いレポートをタイムリーに提供していく。これにより、業務の質の向上に合わせ、従業員の残業時間を減らすことで、業界全体の取組みである「働き方改革」や「固定費の低減」に対しても、積極的に取り組んでいく。