AWS re:Invent

ユーザーニーズで進化するAWSのインフラ--9つの新機能を発表

國谷武史 (編集部) 2018年11月27日 18時26分

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AWS グローバルインフラストラクチャ担当シニアバイスプレジデントのPeter DeSantis氏
AWS グローバルインフラストラクチャ担当シニアバイスプレジデントのPeter DeSantis氏

 Amazon Web Services(AWS)の年次イベント「re:Invent 2018」が米国時間11月26日、ネバダ州ラスベガスで開幕した。事前登録者数は5万人を超えると見られ、年々規模が拡大する同イベントの盛況ぶりを反映するかのように、インフラをテーマにした初日夜の基調講演では、過去に類を見ない規模の新機能が発表された。

 この講演の進行役を務めたグローバルインフラストラクチャ担当シニアバイスプレジデントのPeter DeSantis氏は、まず同社サービスの根幹をなす「リージョン」「アベイラビリティゾーン」などのデータセンター群インフラと各拠点をつなぐネットワークインフラの基本構成を参加者に説明した。その内容は国内外のさまざまなところで紹介されているが、同氏が改めてこうした説明をしたのは、競合と目されるパブリッククラウドサービスの台頭ぶりがあるのではとの見方を示す業界関係者もいる。

 前段では、特にネットワークにおける高可用性や高速性、耐障害性などの特徴を強調。海底ケーブルの敷設プロジェクトへの参加といった話題も持ち出し、直近ではコスト削減のためにケーブル当たりで収容する光ファイバを従来の約3000本から約2倍の約6000本へ高密度化を図る取り組みなども紹介した。データセンターにつながるネットワークを、従来のインターネットベースからAWSベースにすることが、特にミッションクリティカルなエンタープライズアプリケーションの稼働に寄与するとのアピールぶりだ。

ゲーブル当たりの光ファイバの芯線を2倍に高密度化
ゲーブル当たりの光ファイバの芯線を2倍に高密度化

 ここでは、2つの新機能「AWS Global Accelerator」と「AWS Transit Gateway」のリリースを発表した。ユーザーの拠点から最寄りのAWSのリージョンを介した専用線接続のルーティング設定などを簡素化するとともに、オンプレミスからクラウドにおける接続でもセキュリティやコンプライアンスを含む一貫性のある管理と容易な拡張性を実現するとうたう。

 コンピューティング関連でDeSantis氏は、2017年に発表した自社開発ASICを用いる新基盤「Nitro」の導入効果を説明した。Nitroにより、セキュリティとパフォーマンスを両立させながら、これまで以上に多くの種類のインスタンスを提供可能になったといい、例えば、シングルスレッドの超高速化にフォーカスする「z1d」インスタンスでは、12コア・4.0GHzのパフォーマンスを可能にしたという。

 EC2では、新たにスケールアウト型のワークロードにおけるコストを45%削減するという「A1」インスタンスの提供を発表した。2015年にAWSが買収したAnnapurna Labsで開発されていたARMベースの「Graviton」プロセッサを採用しており、UbuntuやDocker、AWSの開発ツール群など多くのソフトウェアをサポートするとしている。

C5nインスタンスの概要
C5nインスタンスの概要

 そして、上述のネットワークインフラやハードウェアプラットフォームの特色を最大限に発揮するとの位置づけで「C1n」インスタンスの提供も明らかにした。データセンターネットワークでは標準となった100Gbpsのスループットを持つインスタンスであり、DeSantis氏は事実上の世界初のサービスを意気込んだ。C1nインスタンスは、超高速アナリティクスやビッグデータ処理にフォーカスしているというが、実際にはハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)や人工知能(AI)分野の利用を見込んでいる。

 併せて稼働中のHPCアプリケーションをクラウド環境へシームレスに展開するという「Elastic Fabric Adapter」機能のプレビュー、また、100Gbps環境でNVIDIAのTesla V100 GPUによる効率的なデータ学習を可能にするという「P3dn」インスタンスの提供開始、機械学習サービス「Amazon SageMaker」では深層学習における効率性を2倍以上改善するという「Amazon SageMaker Neo」も発表した。

SageMakerに「Neo」が加わった
SageMakerに「Neo」が加わった

 サーバレスコンピューティングでは、FargateやLambdaによるマルチテナント環境の高セキュアなコンテナの利用をより手軽に実現するとして新たに開発した「Firecracker」と呼ぶマイクロ仮想マシン(VM)も発表した。DeSantis氏は、攻撃で標的になり得る領域を可能な限り最小化した点と同時に、仮想マシンの起動を125ミリ秒以下で実現する高速性を兼ね備えた点が特徴だとアピールする。Firecrackerは、Apache 2.0のライセンスのもとでオープンソースとして提供していくという。

Firecrackerのアーキテクチャイメージ
Firecrackerのアーキテクチャイメージ

(取材協力:アマゾン ウェブ サービス ジャパン)

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