Salesforceは米国時間11月27日、2019会計年度第3四半期決算(10月31日締め)を発表した。顧客を中心に据えたデジタル変革プロジェクトの恩恵が続き、堅調な内容となった。同社は、2020会計年度の売上高を159~160億ドルと予測している。ただ、第4四半期の見通しが十分なものであるかどうかは明らかにされていない。
アナリストらが大手のクラウド企業やテクノロジ企業の先行きに懸念を覚えるようになっているなか、同社の決算内容には注目が集まっていた。
同社の第3四半期決算は売上高が前年同期比26%増の33億9000万ドル、1株あたり利益が13セント、非GAAPベースの1株あたり利益が61セントとなった。会計基準更新書(Accounting Standard Update:ASU)第2016-01号「金融資産及び金融負債の認識及び測定」で求められる、戦略的投資に対する時価会計調整によって、非GAAPベースの1株あたり利益は6セント増加している。この増加分がなければ、非GAAPベースの1株あたり利益は56セントとなっていた。
アナリストらは第3四半期の売上高を33億6000万ドル、非GAAPベースの1株あたり利益を50セントと予想していた。
Salesforceは第4四半期の見通しについて、売上高が35億5000万~35億6000万ドル、非GAAPベースの1株あたり利益が54~55セントとしている。
第4四半期について、アナリストらは非GAAPベースの1株あたり利益が57セント、売上高が35億2000万ドルになると見ている。2019会計年度通期の見通しについて、Salesforceは売上高を132億3000万~132億4000万ドル、非GAAPベースの1株あたり利益を2.60~2.61セントと予想している。
Salesforceは2020会計年度の見通しについても示しており、年間売上高が159億~160億ドルになると予想している。
共同最高経営責任者(Co-CEO)のKeith Block氏は、アナリストらとの電話会議で、同社がデジタル変革を見据えている経営幹部らとより高いレベルで関わり合うようになっていると述べた。同氏はさらに次のように述べている。
世界中のあらゆる企業が業務をデジタルに移行するミッションを抱えている。当社はあらゆる業界、あらゆる市場セグメント、あらゆる地域で高い業績をあげた第3四半期もこの点を引き続き目の当たりにしている。当社は恒常通貨ベースで、北米・中南米で25%、アジア太平洋(APAC)で26%、欧州・中東・アフリカ(EMEA)で31%成長した。
Block氏は、マルチクラウドの売上高も伸びていると述べた。
Co-CEO兼会長のMarc Benioff氏は、Salesforceにとって重要なアップセルの機会となる人工知能(AI)の「Einstein」を盛んに喧伝し、AIが同社のポートフォリオ全体に組み込まれたと述べた。「当社の商品にはすべてEinsteinが組み込まれ、よりスマートになっている。Einsteinは『Customer Success Platform』の中心となっている」とも同氏は述べている。
Salesforceは、クラウド型営業支援ツール「Sales Cloud」が第3四半期も引き続き同社の最大の収入源となり、売上高は10億2000万円だったと述べた。北米・中南米での売上高は、第3四半期の総売上高の71%を占めている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。