NECとNECエナジーソリューションズは11月22日、英国のGore Street Energy Storage Fundから2件・計19メガワットの大型蓄電システム(GSS:Grid Storage Solution)を受注したと発表した。いずれのシステムも2019年の運用開始を予定しており、蓄電システムとその他の電気設備を含めた現地の工事は、日本工営が担当する。
受注したシステムは、ロンドンの主要港であるティルベリー港に設置する9メガワットの英国最大の需要家向け大型蓄電システムと、英国東部エセックス州ブレントウッドに設置する10メガワットの電力系統向け蓄電システム。両施設では、英国最大の送電事業者であるNational Grid向けに、系統(グリッド)における周波数が規定から逸脱しないよう制御する「周波数応答サービス」などを提供する。
GSSの設置イメージ(出典:NEC)
GSSは、大規模蓄電システム(電池部)、出力変換システム、これらをコントロールするソフトウェアで構成されたもの。再生可能エネルギー発電が普及拡大する中、天候で発電量が大きく変動する施設内の電力利用の効率化や電力系統の安定化が課題となっており、電力の需給バランスを調整し、電力系統における周波数や電圧などの電力品質を維持するための蓄電システムの導入が進んでいる。
Gore Street Energy Storage Fundは、世界初の大型蓄電システムプロジェクトへの投資を目的とした上場ファンドで、英国のプライベートエクイティであるGore Street Capitalが運営し、英国を中心に西欧や北米の大型蓄電システムプロジェクトへの投資を行っている。