Amazon Web Services(AWS)は、強化学習による完全自律走行ができる1/18スケールのレースカーを発表した。
開催中のre:Inventカンファレンスで、最高経営責任者(CEO)のAndy Jassy氏は米国時間11月28日、「AWS DeepRacer」は強化学習を導入できるよう設計された完全自律走行のレースカーだと述べた。
AWS DeepRacer
提供:AWS
強化学習は自動運転車を実現するのに用いられる技術の1つで、DeepRacerは強化学習について学ぶための最高の「実地体験」方法だとJassy氏は喧伝した。
ハードウェアとソフトウェアについては、DeepRacerは「Intel Atom」プロセッサ、1080p解像度の4メガピクセルカメラ、802.11acの高速WiFi、複数のUSBポート、およそ2時間持続するバッテリを搭載している。
Atomプロセッサは「Ubuntu 16.04 LTS」、ロボットオペレーティングシステム(ROS)、Intel「OpenVINO」コンピュータビジョンツールキットを駆動すると、AWSは発表の中で説明している。
AWS DeepRacerには事前設定済みのクラウド環境が含まれているので、強化学習モデルの訓練に利用できる。機械学習サービス「Amazon SageMaker」について新たに発表された強化学習機能を活用するものだ。
また、AWS DeepRacerにはロボットアプリケーションサービス「AWS RoboMaker」による3Dシミュレーション環境も含まれている。
「利用者はシミュレータに含まれている、あらかじめ定義されたレーストラックに対する自律走行モデルを訓練することができる。また、レーストラックをバーチャルで評価したり、AWS DeepRacerの車両にレーストラックをダウンロードし、実際に走行を検証したりできる」と、AWSは説明している。
AWSはさらに、世界初の自律走行レースリーグだと同社が喧伝する新たなスポーツリーグ「AWS DeepRacer League」を開始する。2019年に20のレースを開催し、そのクライマックスとなるチャンピオンシップ杯をre:Invent 2019で開催するという。
AWS DeepRacerはAmazon.comで249ドル(約2万8000円)で事前注文できる(本稿執筆時点で日本は出荷対象外とされている)。
AWS DeepRacerの発表の前に、Jassy氏は、Amazon SageMaker の新たな機械学習能力を利用して強化学習を構築、訓練、配備することを目的とした「Amazon SageMaker RL」を発表した。
このサービスはつまり「あらゆる開発者とデータ科学者のための強化学習」だとJassy氏は述べている。
情報開示:本記事の原文を執筆したAsha McLean記者は、AWSの招待を受けてAWS re:Inventに参加している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。