IBMは米国時間11月28日、人工知能(AI)を用いた人材発掘と人材確保で企業を支援する「IBM Talent & Transformation」事業を立ち上げたと発表した。
人的資源(HR)に関するこの最新の取り組みには、「IBM Watson」の複数のサービスが含まれている。同社によると、人事部門はデジタル変革を推進するための成長の原動力となるうえで、これらAIツールのスイートを活用できるという。AIによって、より多様な労働力の確保とともに、ワークフローの改革や、従業員のエンゲージメント/雇用/維持が支援される。
IBM Talent & Transformationのスイートには、行動科学やAI、心理学を取り込んでHRに適用する「Watson Talent Suite」が含まれており、IBMとWorkdayの提携も含まれる予定だ。ちなみに両社は実装やクラウド関連で提携している。
このスイートには以下のコンポーネントが含まれている。
- 「Watson Recruitment」:企業の雇用履歴と外部データを分析し、特定の役割をこなすうえでの必須要素を見つけ出す。その後、AIによって最も適した人材候補を提示する。
- 「Watson Candidate Assistant」:求職者の履歴を精査し、そのスキルを推測したうえで、人材を必要としている仕事とマッチングする。
- 「Watson Career Coach」:キャリアパスに関するアドバイスを提供するバーチャルコーチ。
- 「Watson Talent Frameworks」:将来的にも有効な人材ベースを構築するための人材戦略に必要なスキルを導き出す。
- 「Adverse Impact Analysis」:組織内を通じて存在する隠れた偏見をAIによって特定し、対応を可能にする。
これらのサービスはIBM社内の人事部門のために開発されたものであり、同社によると従業員の満足度を向上させ、2017年には1億700万ドルに相当する恩恵をもたらしたという。IBMは、テクノロジ関連や業務関連のプロフェッショナルに向けた「IBM AI Skills Academy」によってこれらの取り組みを補完していく。また同社は、HRやAI、文化を融合するためのテスト環境として機能する「IBM Garage」も提供する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。