Linuxカーネル開発者らは長年にわたってカーネルコードのコメントで「fuck」という言葉を使ってきたが、Linuxカーネルに貢献しているIntelのエンジニアがそれらのコメントの一部を見えなくするパッチ群をリリースした。
これらのパッチの狙いは、先頃採択されたLinux開発者の行動規範(Code of Conduct)を「遵守」することだという。この行動規範は開発者とメンテナー、特にLinus Torvalds氏に対して、共同作業の際、あらゆるコントリビューターに敬意と尊厳を持って接することを求めている。
Phoronixが発見したように、インテルのソフトウェアエンジニアのJarkko Sakkinen氏が公開した15のパッチは、コードコメントに「fuck」や「fucking」が含まれている場合にこれらの単語を「hug」(抱擁)に置き換える。
例えば、「IOC3 is fucking fucked beyond belief ...」(* IOC3は信じられないほど気が狂っている)は、「* IOC3 is hugging hugged beyond belief ...」(* IOC3は信じられないほど抱擁し、抱擁されている)に置き換えられた
「Only Sun can take such nice parts and hug up the programming interface* like this. Good job guys...」(このような素晴らしい部品を使って、このようにプログラミングインターフェースを抱擁できるのは、Sunだけだ。お手柄だよ)と変更されたコメントもある(台無しにするという意味のfuck upがhug upに置き換えられた)。
「Hug, we are miserable poor guys...".」(抱擁。われわれは惨めな男たちだ)と変更されたコメントもある(「畜生」を意味するfuckがhugに置き換えられた)。
Torvalds氏が仲間のカーネルメンテナーに宛てた過去の電子メールには、さらに多くの口汚い言葉が含まれるが、少なくともコードコメントに表示されるそれらの言葉は今回一掃された。
先頃の活動休止以来、Torvalds氏も言葉遣いを和らげており、誤った選択やミスが発生したときに、仲間の面目を潰すことを控えている。行動規範によって、よりプロフェッショナルな環境でメンテナーが作業できるようになることが期待されている。
今回のパッチで修正されたのはわずか33行のコードコメントだ。これは、カーネルソースツリー内にあるコードの330万行のコメントのごく一部にすぎないが、今後さらに多くのパッチがリリースされる可能性もある。
少なくとも1人のLinuxカーネル開発者は、今回のパッチに不満を感じている。その開発者は今回の動きについて「検閲」と評し、冗談であることを願うと述べ、口汚い言葉を含む「散文」をメーリングリストに投稿した。
Sakkinen氏は、行動規範では「虐待的、攻撃的、または屈辱的表現の使用、脅迫、ストーキング、嫌がらせの写真や記録、不適切な物理的接触、性的画像、および迷惑な性的誘惑、または性的行為の要求などもハラスメント」とみなされるとし、これは冗談ではないと述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。