SAPジャパン、RPAテクノロジーズ、アイ・ピー・エス（IPS）は12月10日、中堅中小企業向けに統合基幹業務システム（ERP）の入力業務の自動化するサービス「EasyOne Cloud」を提供開始すると発表した。
これは、ERPパッケージ「SAP S/4HANA Cloud」とデータ分析ツール「SAP Analytics Cloud」、ロボティクスプロセスオートメーション（RPA）ツール「BizRobo！」を組み合わせたもの。中堅中小企業におけるERP導入を促進するとともに、データ入力作業などの業務オペレーションの自動化も支援する。
EasyOne Cloudのイメージ図
多くの中堅中小企業では、システム老朽化や個別システムの対応ができず、経営に必要なデータを瞬時に集められない状況にある。そこでERPの導入・検討を進めるが、「中堅中小企業がERPを導入する際に大きな障壁となっているのが、導入にかかる時間とコスト、そして導入後の運用」（SAPジャパン ゼネラルビジネス営業統括本部 第二営業本部 第一営業部 部長 綱島朝子氏）になる。これに、「ITを自社導入できる人材がいない」「システム運用できる人材がいない」「システムを使いこなせない」という人材不足の懸念も重なる。
ERP導入時には初期データの入力に多大な人手と時間が必要となり、運用開始後もERP内の情報の鮮度・精度・粒度を保っていくことが求められる。その一方で、中堅中小企業では人材不足が深刻化しており、データ入力作業を行うための人材の確保が困難となっている。また、人手による入力作業ではミスや漏れを完全になくすことはできない。
EasyOne Cloudでは、基幹業務に必要となる基本作業をソフトウェアロボット（受託ロボット）にプリセットした状態で出荷し、ERPへのデータ入力業務をRPAで自動化する。受注や発注、入出庫、生産実績、会計といった伝票登録のほか、伝票異常値を検出したり、ユーザーやエラーを分析したりすることも可能。「“人手不足”、“手間・時間がかかる”、“導入に時間がかかる”といった中堅中小企業がERP導入を検討する際の大きな障壁を解決する」とRPAテクノロジーズ 代表取締役社長の大角暢之氏は話す。
主に年商250億円以下、利用者数が50～100ユーザー規模の中堅中小企業を対象にする。従来は6カ月以上を要していたS/4HANA Cloudの導入を約9週間で完了可能とする。初期費用は980万円から、月額費用は1ユーザー当たり3万円（参考）から。
SAPのプラチナパートナーであるIPSでは、1年間で10社の導入を目標とする。
（左から）SAPジャパン ゼネラルビジネス営業統括本部 第二営業本部 第一営業部 部長 綱島朝子氏、RPAテクノロジーズ 代表取締役社長 大角暢之氏、アイ・ピー・エス 代表取締役社長 渡邉寛氏、SAPジャパン 常務執行役員 ゼネラルビジネス統括本部 統括本部長 牛田勉氏
