調査会社IDCがSeagateの支援により作成した報告書によると、世界的にコネクティビティが向上し、生成、収集されるデータ量が増えるに伴い、リアルタイム情報が占める割合が増加する見通しだ。2025年には、いわゆる「世界のデータ量」の約30%がリアルタイム情報になるという。
報告書によれば、それに対して、2017年にリアルタイムデータがデータ量で占める割合は15%である。IDCは「世界のデータ量」を「世界全体で生成、取得、複製されるデータ量を数量化したもの」と定義している。
リアルタイムデータの増加を後押しする一因として、消費者需要が挙げられる。「(消費者の)デジタルな世界が物理的な現実と重なるにつれ、場所、接続手段、デバイスを問わず、製品やサービスを利用したいと考えるようになる。消費者はデータをすぐに出先で、パーソナライズされた形で求めるようになる」と、報告書は述べている。
さらに、企業ニーズもある。「例えば、製造現場の自動化された機械は、プロセス制御と調整を行う際に、リアルタイムデータが必要だ」(報告書)
全体的にみると、2025年に世界の接続機器は1500億台に達し、その多くがリアルタイムデータを生成することになるという。世界のデータ量は、2017年の23ゼタバイトから2025年には175ゼタバイトへと増加する見通しだ。1ゼタバイトは、1兆ギガバイトに相当する。
報告書は、「優れた顧客体験を提供し、市場シェアを拡大したい企業は、こうしたリアルタイムデータの成長に見合うデータインフラが必須だ」としている。
データを生成する消費者の数も増えている。現在、50億人を超える消費者が毎日データをやり取りしているが、その数は2025年までに、60億人に増え、世界人口の75%に相当するという。
その一方で、消費者が生成するデータの割合を、企業のそれと比較した場合、2017年の47%から2025年には36%へと、縮小する見通しだ。報告書は、「この推移は主として、世界で常時接続型のセンサ搭載機器が広く普及し、周りの環境からデータを取得、分析して、年中休むことなくデータを生成するようになるため」だと説明している。
現在「企業のデータ量」の48%を、金融サービス、製造、ヘルスケア、メディアおよびエンターテインメントの4業界が占めており、製造業界のシェアが最大である。
製造業界が最大のシェアを占めているのは、その成熟度とIoTへの投資のほか、常時稼働の運用によるものだ。しかしIDCは、今後ヘルスケア業界が生成するデータ量が、製造、メディア、金融サービスを凌ぐ早いペースで増加すると予測している。
これは、ヘルスケア業界におけるアナリティクスの進歩や、MRI関連データの増加に加え、医療現場におけるその他の画像/映像関連データの増加によるものだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。