Amazon Web Services(AWS)の最高経営責任者(CEO)Andy Jassy氏は11月、Amazonのコンシューマー事業では、Oracleのデータベースの利用をほぼ終了し、AWSのそれに移行しようとしていると述べた。これに対し、辛辣な発言で有名なOracleの共同創業者兼最高技術責任者(CTO)Larry Ellison氏は、普通ならそんなことはしないと主張した。
Ellison氏は米国時間12月17日、Oracleの2019会計年度第2四半期の業績を発表する電話会議で、「わが社はデータベースに関してAmazonを大きく引き離している」と述べ、次のように続けた。「技術的な観点から言えば、普通ならOracleのデータベースからAmazonのデータベースに移行することなどあり得ない」(Ellison氏)
AWSのCTO Werver Vogels氏は、11月に開催されたカンファレンス「AWS re:Invent」で、AmazonがOracleのデータウェアハウスから脱却した理由を詳細に語った。
その一連の発言がEllison氏の癪に障ったのかもしれない。同氏は、OracleのデータベースからAWSの製品に移行するのは「とにかく恐ろしくコストが高く複雑な作業」と主張した。「そのことによって高い信頼性も、セキュリティも、パフォーマンスも手放すことになる(中略)Jeff Bezos氏は別かもしれないが、それ以外には『Oracleのデータベースを使うのをやめる』などと命令する経営者はいない」
同氏は、Oracleは今後もリレーショナルデータベース市場のシェア50%を維持するだけでなく、新たに導入されたインフラ「Generation 2 Cloud」と自律型データベースの組み合わせによって、さらにシェアを拡大できると語った。
現在、Oracleの自律型データベースには、毎月1000件以上の無料トライアルの登録があるという。
Ellison氏は、同社は従来のデータベース顧客をクラウドに移行させようとしているだけでなく、クラウドERP市場でのシェアの拡大も狙っていると述べた。
第2四半期の業績では、同社の2つのクラウドERP事業である「Fusion ERP」と「NetSuite ERP」の合計売上高が32%増加した。現在ではFusion ERPの顧客は6000社弱になっており、NetSuite ERPの顧客は1万6000社を超えている。
四半期の全体的な業績は、売上高と純利益の両方で市場予想を上回った。
第2四半期の非GAAPベース1株当たり利益は前年比16%増の80セント。総売上高は96億ドルで、前年同期と同じだった。
事前の市場予想は1株当たり利益78セント、売上高95億2000万ドルだった。
クラウドサービスおよびライセンスサポート事業の売上高は、前年比3%増の66億ドル。クラウドライセンスおよびオンプレミスライセンス事業の売上高は、前年比9%減の12億ドルだった。
Oracle共同CEOのSafra Catz氏は、発表文の中で、フリーキャッシュフローは10%増加し、138億ドルになったと述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。