サーバレスコンピューティングの普及はとどまるところを知らない。最近発表された調査レポートによれば、調査対象企業の半数(50%)はすでにサーバレスアーキテクチャを利用していると回答しており、28%は18カ月以内に導入する予定だと述べている。
この数字は、The New Stackが公開しているサーバレステクノロジに関する調査レポートで明らかにされたものだ。調査対象の企業608社のうち、サーバレス技術を利用している企業は、重視している利点として、スケーラビリティや開発ペースの向上を挙げている。すでにサーバレス技術を利用している企業では、技術の導入は早いペースで進んでおり、それらの企業の32%では、アプリケーションワークロードの4分の1以上でサーバレスアーキテクチャを使用しているという。
すでにサーバレス技術を利用している企業は、この技術がソフトウェア開発サイクルに与えるメリットとしてさまざまな項目を挙げており、その中でも上位を占めたのは、スケーラビリティ(48%)、開発ペースの向上(41%)、リソースのコスト(40%)だった。The New Stackの調査チームは、サーバレスアーキテクチャの本質的な利点は、コードの開発から、そのコードを稼働するまでの時間を短縮できることにあると述べている。
調査によれば、サーバレスと聞いて人々が思い浮かべることが多いのはAmazon Web Services(AWS)で、マインドシェアの観点からは同社が市場をリードしている。企業が利用している、あるいは利用する計画のあるサービスを尋ねた質問では、上位のサービスは「AWS Lambda」(71%)、「Amazon CloudWatch」(61%)、「Azure Functions」(43%)だった。
ただし、業務プロセスやインフラを変革するような有望なテクノロジにも、必ず問題は起こる。サーバレスコンピューティングを利用している企業が経験している課題には、移植性(29%)、コントロール(27%)、アプリケーションの性能(24%)などがある。これはサーバレスコンピューティングに限らず、他にも多くの顧客を抱えるプロバイダーにインフラを預ける状況では必ずありうることだが、自由には変えられない部分が出てくるほか、応答性が落ちる可能性もある。
レポートでは、 「FaaS(Function as a Service)プロバイダーは通常、あまり利用されないランタイム環境をスピンダウンする。これは、利用できるリソースの量が制限されることも意味しており、遅延やパフォーマンスの低下が発生する場合もある。また、クラウドコンピューティングを利用するどんなワークフローにも言えることだが、クラウドプロバイダーを利用する場合には、監視やデバッグ、セキュリティに関しても難しい場合もある可能性がある。これは、自分がアクセスできない、あるいはコントロールできないパブリッククラウド上でワークロードが実行されるためだ」と指摘している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。