Microsoftが2018年9月の「Ignite」で「Windows Virtual Desktop」について発表したとき、同社は、Citrixなどを始めとする、従来からの仮想化分野のパートナー企業から役割を奪うことはないと説明した(一部の業界ウォッチャーは、Microsoftがより本格的な仮想化サービスをリリースした場合、CitrixがMicrosoftにとって重要なパートナーであり続けるかについて懐疑的だ)。1月第2週に開催されたカンファレンス「Citrix Summit」では、MicrosoftとCitrixから、Windows Virtual Desktopに関するいくつかの追加情報が出てきた。
Windows Virtual Desktop(WVD)は、「Windows 7」および「Windows 10」、「Office 365 ProPlus」のアプリケーション、サードパーティーのアプリケーションをAzureの仮想マシンでリモートから実行し、仮想化するサービスだ。WVDを利用すれば、顧客は1つのWindows 10またはWindows Serverの仮想マシンに複数のユーザーをログインさせ、リモートデスクトップセッションを提供することができる。デスクトップ全体を仮想化することも、Microsoft Storeのアプリや業務アプリケーションだけを仮想化することも可能だという。また、2020年1月のサポート終了以降にWVDでWindows 7を仮想化して利用したい顧客は、「Extended Security Updates」を購入しなくても、3年間はWindows 7を使い続けられる。
Microsoftは2018年末までにWVDのパブリックプレビューを公開するとしていたが、これはまだ実現していない。ただし、Citrix SummitでMicrosoftの担当者が発言した内容からすると、2019年の第1四半期中にはパブリックプレビューの提供が始まりそうだ。
Microsoftは、MicrosoftクラウドソリューションプロバイダーのパートナーであるCitrixに対して、WVDの販売と、2019年第1四半期のパブリックプレビュー開始時点から、WVDと「Citrix Workplace」「Citrix Virtual Apps and Desktops」(元々「XenApp & XenDesktop」と呼ばれていた製品)を統合することを認めている。その代わり、CitrixはAzureを「推奨パブリッククラウド」として認めるMicrosoftのパートナーの1つに加わる(ただし、独占クラウドプロバイダではない)。
Citrixの担当者は、2018年秋のIgniteで、同社はMicrosoftと協力してWVDをベースにした「サービスとしてのデスクトップ」(DaaS)製品を開発すると述べていたが、詳細についてはとんど触れなかった。