ピザ宅配業界には最先端技術があふれている。例えばPizza Hutは2016年に、顧客の注文を受けるロボットとして「Pepper」を導入した。同社はまた、トヨタ自動車と組んで宅配用の自動運転車両にも取り組んでいる。一方、Little Caesarsはピザ調理ロボットの特許を取得しており、Domino’sは一部でドローンによる宅配の取り組みを行っている。
Pizza HutのEコマースエンジニアリング担当ディレクターChuck Rhoades氏は、米ZDNetに対して、あらゆる技術的なイノベーションはたった1つの目的のために導入されていると語った。つまり、「顧客に温かい料理を届けるには、素早く確実に配送しなくてはならない」ということだ。
そのミッションを遂行するため、Pizza Hutは2017年にベアメタルのインフラからハイブリッドクラウドモデルに移行し、Google Cloud PlatformとAmazon Web Services(AWS)の両方を利用するようになった。
Rhoades氏は米ZDNetの取材に対して、その移行から得られた知見と、コンテナ環境に移行する際に採用したベストプラクティスについて説明してくれた。そのインタビューの要点は次のようなものだ。
なぜPizza Hutにスケーラビリティが必要なのか--「スーパーボウルはわが社のスーパーボウル」
Rhoades氏によれば、Pizza Hutにとってクラウドの最大の魅力は、リソースのスケールアップ、スケールダウンが可能なことだという。これは、同社のリソースに対する需要が、時期や時間帯によって大きく変化するためだ。Pizza Hutは、それらのピークの時こそが「重要な瞬間」だと考えている。
「考えてみればすぐに分かることがいくつかある」と同氏は言う。「当社には、『スーパーボウルはわが社のスーパーボウルだ』というジョークがある。これは、まったくその通りに感じられるからだ。米国最大のスポーツイベントであるスーパーボウルの開催日には、当社の売上が跳ね上がる。(中略)しかしそれ以外にも、需要が大きくなる日がある。例えば米国の中間選挙の日がそうだ。それらの日は、われわれにとって非常に重要な時だ。ハロウィンも重要だし、大みそかや、元旦も大切な日だ。
われわれに分かっているのは、これらは人が集まる日だということだ。ピザは多くの人で一緒に食べることができるので、そうした大きなイベントの日に売れる。(中略)またもちろん、一般に宅配サービス業では食事時にはそれ以外の時間帯よりも注文が多くなる。また当然、ピザを注文する人は、朝の9時よりも夕食の時間帯に多い」(Rhoades氏)