仮想化基盤を提供するアセンテック(千代田区)は1月17日、自社で企画するリモートデスクトップ基盤の新モデル「リモートPCアレイ50」と「リモートPCアレイ200」の販売を開始した。リモートPCアレイ50は3月25日から、リモートPCアレイ200は2月25日から出荷する。価格はオープン。
リモートPCアレイは、1Uのラックマウントに複数の物理PCカートリッジを搭載。ネットワークスイッチと台湾のAtrustが開発する管理ソフトウェア「Atrust Chassis Manager(ACM)」をまとめて提供する(リモートPCアレイはAtrustとアセンテックが共同で開発)。
リモートPCアレイ50(出典:アセンテック)
PCカートリッジには、Intel製CPUと8GBのメモリ、ストレージとして128GBのソリッドステートドライブ(SSD)が入っている。サーバルームやデータセンターに設置されたリモートPCアレイにある物理PCにリモートで接続して使う。
ハイパーバイザを使わない。ハイパーバイザを前提とした仮想デスクトップ基盤(VDI)よりも初期導入コストを削減できる。同社の説明によると50%が削減できるという。ハイパーバイザが不要となることからパフォーマンスサイジングも不要になる。設計構築期間は一般的なVDIよりも70%短縮できるとしている。
エンドユーザー1人につき1台のPCカートリッジを割り当てることで他のエンドユーザーの負荷の影響を受けない。ハイパーバイザがないことで性能障害の原因の多くを排除できることになる。ホットスワップでシャーシを追加するだけでシステムを拡張できる。リモートPCアレイを管理するACMは筐体に直接KVMを取り付けて管理するローカルとネットワーク越しに外部から管理するリモートに対応。GUIとCLIで利用できる。
既存製品「リモートPCアレイ100」は1Uの筐体にPCカートリッジ20台を搭載。PCカートリッジのOSはWindows 7/8.1/10。新製品のリモートPCアレイ50とリモートPCアレイ200のOSはWindows 10。CPUはリモートPCアレイ50が既存製品と同じCeleronだが、リモートPCアレイ200はAtomとなっている。
新製品のリモートPCアレイ50は、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)の利用を想定して設計。RPA向けに部門ごとに5台程度のPCを利用したいとのニーズからPCカートリッジを5台搭載している。
部門ごとの利用を想定して、筐体もラックマウントではなく机におけるようなサイズにしている。「WinActor」「UiPath」などのクライアント型RPAツールでの動作を確認。RPAを同一スペックにPCに集約、一元管理が可能としている。リモートPCアレイ50はホットスワップでの拡張に対応していない。
もう一つの新製品であるリモートPCアレイ200は搭載するPCカートリッジが30台。既存のリモートPCアレイ100のPCカートリッジの小型化を進めた。ホットスワップでの拡張に対応している。
リモートPCアレイ200の内部(出典:アセンテック)