パーソル総合研究所(港区)の調査結果によると、インターンを経験することで入社志望度が上がり人材獲得しやすくなるだけでなく、クチコミによる情報拡散や入社後の定着・活躍の観点からも効果があることが明らかになったという。同社は総合人材サービスのパーソルグループのシンクタンク。1月17日に発表された。
インターンを実施する企業は増加しており、ここ3年間の新卒入社者のうち58.8%がインターンを経験。一方でインターンの効果検証については学生側のキャリア教育の観点から実施されているが、企業側の人事的な観点からは不十分だったと指摘する。
今回の「企業インターンシップの効果検証調査」は企業側の目線でインターンの効果を明らかにして、なぜインターンを実施すべきかなのか、どのようなタイプのインターンに取り組むべきかなど人事部門や経営層にとって参考になるデータを提供することを目的にしたと説明している。
新卒で企業に入社した者のインターンシップ参加経験は、直近3年間で58.8%。インターン参加した企業へ入社した者が20.8%、その会社ではないが、同業界に入社した者が16.9%であった。参加後、その企業への入社志望度が上がった参加者は60.9%となっている。

図1:インターンシップ参加後に志望度が上がったのは60.9%(出典:パーソル総合研究所)
インターンでどのような経験をすると、参加後のその企業への入社志望度が上がるのか、その影響度を分析。性別や企業規模、大学偏差値などの影響を取り除いて分析した結果、17項目中最も影響度が高かったのはインターンを通じて「社員が優秀だと感じた」こと。3位には「現場社員との継続的な人脈が築けたこと」が入っており、人を通じての魅力度の認知が最も学生の志望度を向上させることが示唆されるとしている。

図2:インターン後の志望度への影響度(出典:パーソル総合研究所)
インターンシップのネガティブな印象を聞くと、全体の1位は「企業の表面的な情報しか得られなかった」ことで、44.2%のインターンがあてはまった。