企業の旅費や経費を管理するアプリケーションを提供しているExpensifyの調査データによれば、「Zoom」や「Slack」などのコラボレーションソフトウェアや、「Twilio」や「Zendesk」などのコミュニケーションツールの企業での利用が進んでいるようだ。企業の従業員は、これらのビジネスアプリへの経費支出を増やしているという。
Expensifyが1月に発表した「Spend Trends(経費支出トレンド)」レポートでは、同社のシステムを通じて処理された年間2億件のトランザクションを分析して、企業の従業員の経費支出状況を明らかにしている。同社のサービスを考えれば当然だが、2018年に処理された件数が多かったのは、Uber、Lyft、Amazon、Starbucksといった、食費、旅費、ライドシェアサービスなどの領収書だった。
(訳注:同社は経費処理のためのさまざまなシステムを提供しており、旅費を精算する機能や、紙のレシートを撮影して経費を管理する機能、法人向けクレジットカードを使った決済を管理する機能などを提供している)
将来成功する企業を占うためのバロメーターとして、特に増加傾向が強かった項目にも注目してみよう。クラウド時代に入ってからは、新たにアプリを使用する場合、最初は従業員が法人向けクレジットカードで経費を支払い(AWSやSales forceなどもそういう形で始まった)、試しに使ってみる期間が終わると、より大規模な、エンタープライズ契約に格上げされる。
ExpensifyのSpend Trendsレポートでは、ワークフローを改善するテクノロジに対する従業員の経費支出が増えていると指摘している。
提供:Expensify
興味深いのは、それらのソフトウェアパッケージの多くは(Slackは例外だろうが)、IT部門が選択したアプリケーションと競合するものである可能性が高いことだ。例えば、企業としてすでに「Skype for Business」やCiscoの「WebEx」を導入していても、従業員がZoomを購入することはできる。あるいは、従業員がZendeskを購入している企業では、すでにSalesforceが導入されているかもしれない。つまり、Expensifyのレポートでリストアップされたツールは、従業員が将来使いたがるものを示している可能性がある。
また同社によれば、同様に、Twitter広告もさまざまなマーケティングで試験的に導入されているようだという。2018年第4四半期に処理されたTwitterの領収書は、前年同期比で361%も増加している。広告分野の1位は今回もGoogleで、2位はFacebookだった。
注目すべき他のサービス
- 印刷サービス「Moo」の第4四半期の領収書は前年同期比で約4倍に増えた。「Vistaprint」も大きく増えている。
- 自転車およびスクーターシェアリングサービスの首位は「Scoot」で、2位は「Lime」だった。
- フードデリバリーのトップは「Caviar」で、「DoorDash」と「Grubhub」がそれに続いている。
- 食料品宅配サービスの首位は「Instacart」だった。
- このほかに、「Wayfair」と「Bill.com」が処理件数の多いサービスとして新たに登場している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。