「Windows 7」の延長サポートが終了するまで、残り1年を切った。Microsoftは2020年1月14日以降、Windows 7へのセキュリティアップデートの提供やサポートを行わない。ただし、追加料金を払って引き続きサポートを受ける選択肢は残されている。
これは多くの企業にとって大きな問題だ。Windows 7は2009年10月に発売された古いOSだが、非常に愛されており(もちろん、PCのOSとしてはだが)、現在も広く利用されている。
実際、「Windows 10」のリリースは2015年の後半であるにもかかわらず、NetMarketShareのレポートでWindows 10のシェアがWindows 7を上回ったのは2018年12月のことだ。Microsoftによれば、世界にはWindowsを使用しているデバイスが15億台存在し、そのうち7億台以上でWindows 10が使用されているという。しかしこれは、Windows 7を使用しているデバイスも数億台存在し、これらが一斉にサポート終了を迎えることを意味している。
Microsoftはこれまで、企業にアップグレードを積極的に促してきた。その際、移行すべき理由として、Windows 10のセキュリティがWindows 7よりも優れていることを挙げている。同社はまた、Windows 10にできる限り多くのユーザーを集めようとしてきた。それによって「Windows as a Service」への移行を進め、数年ごとに大規模なアップグレードプロジェクトを実施するのではなく、定期的に機能アップデートを提供するやり方に切り替えるためだ。
しかし、企業は新しい技術の導入に消極的であることも多く、最近のWindows 10のアップグレードで起こったトラブルも、企業のインフラに対する影響を心配させる要因になるだろう。
では、今後何が起こるのだろうか?
Forrester Researchの技術アナリストAndrew Hewitt氏は、この2年間ですでに、Windows 10への大規模な移行が起きていると話す。
Forresterが実施した、企業のインフラに関する意思決定者を対象とした調査によれば、現在法人が所有するPCの56%でWindows 10が使用されている。これは1年前と比べて8%、2年前よりも18%大きい数字だ。「この移行はかなりのペースで進んでいるが、お分かりの通り、すべてがWindows 10に移行するまでにはまだかなり時間がかかる」とHewitt氏は言う。
なぜ、まだアップグレードしていない企業があるのだろうか。理由の1つは、Windows 10と互換性のないレガシーアプリケーションが存在しており、これをどう扱えばいいかが分からないか、(移行への重要なステップである)アプリケーションの互換性試験をまだ行っていないことだ。Windowsアップデートの頻度の多いことを懸念している企業もある。これらの企業は、適切に対応するための業務プロセスを持っていない場合もあれば、アップデートへの対応のコストを気にしている場合もある。