運用管理ソフト「JP1」の最新版--可視化対象を拡大、RPAにも対応

藤代格 (編集部)

2019-01-23 07:15

 日立製作所は、開発、提供する統合システム運用管理ソフトの最新版「JP1 Version 12」を発表した。企業のIT環境全体の運用状況をリアルタイムに集約可能で、経営層やIT部門など、立場ごとの目的にあわせて必要な情報を可視化できるという。また、クライアント環境でのロボティックプロセスオートメーション(RPA)などを活用した一連の業務プロセス自動化にも対応する。1月23日から販売。

 Version 12では、「JP1/Automatic Job Management System 3(JP1/AJS3)」の機能を強化。また、「JP1/Integrated Management 2(JP1/IM2)」「JP1/Client Process Automation(JP1/CPA)」「JP1/Client Process Automation Option for Automatic Job Management System 3」の3製品を新たに提供する。

 「JP1/Integrated Management」の最新版となるJP1/IM2は、IT環境全体の運用状況を目的や立場別に必要な情報と関連付けて可視化できる。オンプレミス環境に加え、マルチクラウド、マルチベンダーのシステムに対応。さまざまなIT環境を一元管理し、発生する事柄のほか、稼働や構成情報などの運用データ、オープンデータなどを組み合わせてたリアルタイムな集約、画面表示ができるという。

 日立のエンジニアの知見に基づき、企業ごとに異なるビジネス判断に必要なデータの関連付けが可能。ユーザー企業ごとの個別のエンジニアの知見も追加でき、目的や立場に応じて必要な情報をわかりやすく可視化できる。

 経営者やIT部門マネージャーは、全社を横断するような業務プロセス全体を俯瞰的に把握しつつ、経営に直結するシステムの稼働状況も把握できる。迅速な意思決定、業務プロセス改革に向けた施策検討ができるという。

 IT部門の運用担当者の場合、IT環境全体やシステム間の関係性から運用状況が確認できる。障害発生箇所や業務への影響範囲の的確な把握、対応が可能で、IT運用業務を効率化できるとしている。

「JP1/Integrated Management 2」の概要イメージ(出典:日立製作所)
「JP1/Integrated Management 2」の概要イメージ(出典:日立製作所)

 JP1/CPAでは、クライアント環境における業務の自動化や、RPAを含んだ一連の業務プロセス自動化を制御、監視できる。

 基幹業務のプロセスを自動化できるJP1/AJS3は、オプションとして提供するClient Process Automation Option for AJS3と連携すると、既存システム上で実行する基幹業務に加え、クライアント環境で実行する定型業務なども管理できるように機能を強化。企業のカレンダーにあわせたスケジュールでの業務実行、業務部門とIT部門など、部門をまたがった一連の業務プロセス自動化の進捗管理が可能。企業全体の業務効率を向上させるとしている。

 また、計画的に停止することなく、運用中にクラウドバックアップできる機能を追加したという。

「JP1 Version 12」の新製品もしくは機能強化製品の価格および提供開始時期(出典:日立製作所)
「JP1 Version 12」の新製品もしくは機能強化製品の価格および提供開始時期(出典:日立製作所)

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