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日本株展望

日立が英原発プロジェクトで3000億円減損--電力株の投資判断

ZDNet Japan Staff

2019-01-24 11:20

 本記事は楽天証券が提供する「トウシル」の「TOP 3分でわかる!今日の投資戦略」からの転載です。

今日のポイント

  1. 日立製作所は英原発建設事業を凍結
  2. 電力9社への投資はリスクが高い
  3. 電力株の投資判断
  4. 2020年「発送電分離」後の「送配電会社」に注目

 これら4点について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。

日立製作所は英原発建設事業を凍結

 日立製作所は1月17日、英国で計画中の原発(原子力発電)建設事業を凍結し、設備の減損処理などで約3000億円の損失を計上すると発表した。これに伴い、同社は2019年3月期の連結税前利益の見通しを7350億円から4350億円に下方修正した。

 約3兆円の事業費をめぐる日英の政府や企業との交渉が難航し、現在の枠組みでは民間企業として経済合理性の観点から事業継続が困難と判断した。

 日立は2012年に買収した100%出資会社、Horizon Nuclear Powerを通じて英国で2025~2026年頃の稼動を目指して、原発2基を建設する計画を持っていた。ただし、原発の事業リスクが高くなってきたことから、2018年6月に英国政府の許可を得た上でこの事業への出資者を募り、日立の持ち分を50%未満まで低下させると発表していた。

 原発を新設するリスクは年々高まっている。建設を決めてから完工するまでに安全基準がさらに強化されてコストが膨らむリスクや建設が遅延して遅延損害金が膨らむリスクがある。さらに、使用済み核燃料の処分コストや廃炉コストも想定されている金額よりはるかに大きなものになるリスクもある。原発事業の規制強化リスクは、特に欧米で高まっている。こうしたさまざまなリスクを日立が全面的に負わないで済むよう、英国政府や日本政府による支援を引き出すように交渉してきたが、思うような進捗がなく断念した。

 日立は2017年には米国のウラン濃縮技術開発事業から撤退し、約700億円の減損を計上している。今回、英原発建設も凍結することとなり、これで日本企業による海外原発建設計画は事実上なくなる。東芝が米国の原発建設事業で巨額の損失を出して一時債務超過に陥ったことが反面教師となり、日本企業は原発事業リスクを縮小する方向に舵を切っている。

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