国家保安および重要なインフラに関わる顧客向けにソフトウェアとサービスを提供するSAPの米国子会社SAP National Security Services(SAP NS2)がGoogle Cloud Platform(GCP)と提携し、公共分野をターゲットとした事業展開を進める。戦略的提携を通じて、セキュリティ標準「FedRAMP(Federal Risk and Authorization Management Program)」が定めるデータ要件を遵守する必要がある公共分野に対し、高度なクラウドとデータ機能をもたらす狙いだ。
SAP NS2とGoogle Cloudは、Google Cloudのネットワークインフラと機械学習機能をSAPのインメモリデータベースおよびSAP NS2の安全なクラウドデリバリサービスに統合する。ポイントは、クラウドサービスを通じて公共機関のスタッフがリアルタイムのデータ洞察にアクセスでき、Googleのクラウドインフラ上でミッションクリティカルなアプリケーションとアナリティクスを動かすことができるという点だ。
「Google Cloudとの提携により、公共分野の顧客に、GCPのリッチなネットワークインフラとオペレーション機能スイートという選択肢を提供できる」とSAP NS2のプレジデント兼最高経営責任者(CEO)Mark Testoni氏は述べている。「われわれの顧客は、Google Cloudの世界レベルのセキュリティとオペレーション機能が加わった安全なクラウド環境で、SAP HANAのパワーにアクセスできる」とTestoni氏は続けている。
SAP NS2はAmazon Web Services(AWS)とも同様の提携を結んでいる。AWSとは2018年6月、SAPの「Secure HANA Cloud」とAWSの「GovCloud」を組み合わせることで提携している。これにより、SAP NS2の顧客はAWS GovCloudを選択してワークロードを移行し、同時にITAR(International Traffic in Arms Regulations)、国防省のDoD SRG(Security Requirements Guide)、FedRAMPといった要件を遵守できるというものだ。
GoogleとSAPは2017年よりクラウドで提携関係にある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。