富士ゼロックスは1月28日、帳票処理サービス「Smart Data Entry」の機能強化を発表した。光学文字認識(OCR)処理への人工知能(AI)活用に加えて、処理後の認識結果にもAIを活用し、処理の“確信度”を付与。高中低の3種類に分類し、複数人の作業の要否を制御するという。
人間の視覚の仕組みを取り入れた独自の文字認識技術を活用し、手書き文字の入力画像と認識結果との類似度の関係をルール化。「入力作業が不要」「1人の入力作業が必要」「OCR結果にとらわれず2人の入力作業が必要」などをAIが判定、警告するという。確認が必要な作業のみとなり、全体の作業工数が削減できるとしている。
“確信度”として判別するという(出典:富士ゼロックス)
サービス価格も改定。基本の税別料金を2ユーザー、500ページまで使用できる月額4万9000円とし、処理量を超えると従量課金制に移行するモデルを採用した。例えば月に2000ページ利用する場合、改定前に比べ月額利用料を約65%低減。中小規模の事業所においても導入しやすいとしている。ユーザー数はオプションで20ユーザーまで拡大が可能。
改訂後の価格(出典:富士ゼロックス)
Smart Data Entryは、セキュアな環境を確保しつつ、繰り返し作業をはじめとするさまざまな制約から働く人々を解放し、一部の人材に偏在していた専門性を誰もが活用できるように開放するという富士ゼロックスが提唱するコンセプト「Smart Work Innovation」の一環。
AI OCRによる高精度な文字認識と、確信度を利用した効率的な入力作業により、申請や届出受付、調査、アンケートなどの入力から情報抽出、確認、訂正、データ出力まで、ムダなく効率的でシームレスな流れを実現するとしている。
Smart Data Entryの概要(出典:富士ゼロックス)
サービスの提供を開始した2018年7月から2019年度までで、国内600契約の獲得を目標に掲げている。