SAPは米国時間1月29日、2018会計年度第4四半期(2018年10~12月期)および2018年通年の決算発表を行った。同時に発表した9億5000万ユーロ(約10億ドル)規模の構造改革では、早期退職や異動を通じて業績が鈍化している事業部のてこ入れを図る計画だ。
国際財務報告基準(IFRS)に基づく第4四半期の売上高は前年同期比9%増の74億3000万ユーロ、非IFRSベースでは13%増となった。IFRSベースの1株あたり利益は8%減の1.41ユーロで、非IFRSベースでは15%減だった。2018年第3四半期の売上高はIFRSベースで60億2000万ユーロ、非IFRSベースで60億3100万ユーロだった。
営業利益はIFRSベースで前年同期比22%増の24億ユーロだった。
新規クラウド受注は、前年同期比25%増の7億3600万ユーロ(固定通貨換算ベースでは23%増)、クラウドサブスクリプションとサポートの売上高はIFRSベースで前年同期比41%増の14億1000万ユーロとなった。
ソフトウェアの売上高は、IFRSベースで前年同期比1%増の20億9000万ユーロ、非IFRSの固定通貨換算ベースでは8%増加した。
クラウドとソフトウェアの売上高は、IFRSベースで前年同期比9%増の63億2000万ユーロだった。
SAPは、3つの主要事業セグメントである「Applications, Technology & Services」「カスタマーエクスペリエンス」「SAP Business Network」について、第4四半期は好調だったと報告している。Applications, Technology & Services部門は、前年同期比6%増の62億6000万ユーロ、固定通貨換算ベースでは10%増だった。「SAP S/4HANA」の導入顧客が33%増加し、約1万500社となった。
SAPは2018年通期の業績についても発表した。すべての予想を満たす、あるいは上回る結果となった。IFRSベースの売上高は247億1000万ユーロ、非IFRSの固定通貨換算ベースでは259億6000万ユーロだった。
SAPは売上高について、非IFRSの固定通貨換算ベースで252億~255億ユーロと予想していたが、この数字を上回った。営業利益はIFRSベースで57億1000万ユーロ、非IFRSの固定通貨換算ベースで74億8000万ユーロだった。
2018年通期の新規クラウド受注は前年比25%増の18億1000万ユーロ、クラウドサブスクリプションとサポートはIFRSベースで49億9000万ユーロ、非IFRSベースで52億1000万ユーロとなった。一方で、ソフトウェアライセンスの売上高はIFRSベースでは前年比5%減の46億5000万ユーロ、非IFRSの固定通貨換算ベースでは横ばいとなった。クラウドとソフトウェアの売上高は、IFRSベースで206億2000万ユーロだった。
SAPは2020年の見通しについて、総売上高が非IFRSベースで286億~292億ユーロになると予想している。クラウドサブスクリプションとサポートの売上高は、非IFRSベースで86億~91億ユーロと予想しており、82億~87億という当初の予想を引き上げた。また非IFRSベースの営業利益は、85億~90億ユーロになると予想している。
また同社は2023年までの5年間について、非IFRSベースで総売上高350億ユーロ超、営業利益の年平均成長率7.5~10%を達成したいとしている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。