中国クラウド大手のアリババクラウドは1月29日、日本で2カ所目になるデータセンター(DC)を東京に開設した。大規模なデータ処理や機械学習技術などの需要増加に対応し、国内のキャパシティを2倍以上に増強する。

Alibaba Cloud Japan カントリーマネージャーのUnique Song氏
第2DCでは、エラスティックコンピューティング、画像検索、データストレージ、サーバロードバランシング、リレーショナルデータベース、セキュリティ、ディザスタリカバリなど50超のサービスを展開。また、最大25Gbpsのネットワーク帯域幅に対応し、最大8基のNVIDIA Tesla P100を搭載するGPUベースの「GN5」インスタンスを提供する。
第2DCを展開することで、「データのバックアップやディザスタリカバリといった用途で活用できるようになる」とAlibaba Cloud Japan カントリーマネージャーのUnique Song氏は話す。
また、セキュリティ面への懸念に対しては、中国の国内および国外のセキュリティとコンプライアンス基準を順守するとし、GDPR、Trusted Cloud、C5、DJCP MLPS、CSA STAR、AICPAなどのセキュリティ認証を取得していることを明らかにしている。
アリババクラウドの強みについては、世界最大級の電子商取引(EC)サイトを展開するアリババグループで培ってきた技術力を挙げ、グローバルネットワークを通じて日本企業の世界進出やサービスの共創を支援したい、とSong氏はアピールした。
その上で、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)といった日本で先行するパブリッククラウドサービスに対しては、価格で勝負をするものではなく、技術面なども含めて最もコストパフォーマンスが高いものを提供するとした。
「クラウドは単なるユーティリティでなく一種のアビリティだ。クラウドを使えば、大規模で複雑なデータをリアルタイムに処理できるようになる。クラウドを通じてそうしたアビリティを企業に提供し、業務の最適化やデジタル化を進めていきたい」(同)