製造現場のIoTソリューション向けIaaSが激戦市場になりそうだ。筆者が注目したのは、3つの動きにおけるIaaSの現状である。果たしてどんな状況か。
DMG森精機がIoT向けIaaSにMicrosoft Azureを採用
工作機械メーカー最大手のDMG森精機と日本マイクロソフトが1月22日、製造現場の制御システム向けIoTソリューションの提供について協業すると発表した。
両社の協業によるソリューションを導入した企業は、各制御システムのデータをマイクロソフトのIaaS「Microsoft Azure」上に収集し、人工知能(AI)を活用して分析することで、適切なタイミングでプロアクティブな予防保全が可能になる。さらに、工場内におけるダウンタイムの削減や工程の効率化、機材のメンテナンス性向上や不良率の削減などが期待できるとしている(写真1)。
写真1:会見に臨む日本マイクロソフトの平野拓也 代表取締役社長(左)とDMG森精機の川島昭彦 専務執行役員
発表内容の詳細については関連記事をご覧いただくとして、ここでは製造現場のIoTソリューション向けIaaSに注目したい。その意味で言うと、今回の協業ではDMG森精機のIoTソリューションを支えるAzureのことになる。
発表会見に臨んだDMG森精機の川島昭彦 専務執行役員はIaaSの選定について、「今回の協業では、当社のIoTソリューション向けIaaSとして、グローバルなサポート体制があることなどからマイクロソフトのAzureを利用する形になった。だが、IoTソリューションを導入されるお客さま個々のニーズに対応するのが前提なので、IaaSは特定しないというのが基本的なスタンスだ」と説明した。
基本的なスタンスはそうだが、川島氏の話では有力なIaaSを綿密に比較してAzureの採用を決めたそうだ。