NECソリューションイノベータと新潟大学は、人工知能(AI)を活用して消化器外科手術患者の手術後感染を予測するモデルの検証を行った。
これは、消化器外科で手術をした患者において、手術後感染と関係する因子の検証と手術後感染を予測するもの。検証の結果精度指標を示すAUC(Area Under the Curve)で85%を達成する手術後の感染を予測するモデルを構築できた。また、手術後の感染に関係する年齢、BMI、使用薬剤、手術時間などの因子を可視化することができた。AUCは統計・データ解析で用いられる判断・分類の精度の良さを0〜1で表す指標。最も良い精度は1で、その場合、100%の確率で正しい判断・分類が可能ということになる。
同検証ではNECの最先端AI技術群の1つである「異種混合学習技術」を活用した。新潟大学医歯学総合病院の消化器外科手術で入退院した患者、約2000人の電子カルテのデータを匿名化して用いている。
検証の流れ(NECソリューションイノベータ)
術後感染症のリスクを低下するには抗菌薬の予防的投与が有効だが、抗菌薬の多量投与は薬剤費への影響が大きく、また耐性菌が発生・増殖するリスクが高くなる。そのため、適切な患者に適切な薬を適切な量、適切な期間投与することが重要となるという。
NECソリューションイノベータと新潟大学では、今回の検証結果を踏まえて、構築した予測モデルを活用し、入院から手術終了までの電子カルテデータから手術後感染患者の早期予測の支援を目指す。