Blue Prismのポータルサイトは以前から関連ドキュメントやユーザー向けフォーラムを設けてきたが、Connected-RPAの構成要素には多くの顧客企業とパートナー企業によるエコシステムを構築した「Blue Prism Connected-RPAプラットフォーム」や前述したBPDX2、「Blue Prismコミュニティー」「Blue Prism AI研究所」の4要素が含まれるという。このコミュニティー支援としてポータルへのアクセス率を高める狙いがあると考えることができる。
同社のリージョンは北米、欧州中東アフリカ(EMEA)、アジア太平洋(APAC)、日本の4つ。日本をアジア太平洋に含めない理由は「エンタープライズRPAの重要性を日本の顧客はよく理解している。継続的な改善は日本が発明したものだが、その継続的改善をRPAで実現したい」(Geary氏)と説明した。
日本法人社長 Paul Watts氏
英本社 チーフエバンジェリスト Pat Geary氏
日本法人 ソリューションコンサルティング部長 志村裕司氏
AI研究所についてBlue Prismは「自社でAIを組み込まないという方針だった」(Blue Prism ソリューションコンサルティング部長 志村裕司氏)が、20~30人の研究者をロンドンに集めてAI専門研究を行い、今後自社ソリューションにAI機能を活用していくという。その一環として今後90日以内にAIを活用した光学文字認識“AI+OCR”機能を備えた「インテリジェント文書処理」を提供する。
すでに現在のBlue Prismでも各ベンダーのOCRソフトウェアが利用できるものの、「シンプルなOCR需要に対しては弊社製品内で対応する。われわれは既存のものを再びエンジニアリングしない」(Geary氏)と述べ、単なるAI+OCRではなくビジネスシーンにおける文書の分類やエンコード検証ステップなどを含めた文書処理ソリューションの構築を目指すようだ。
この他にも近日リリース予定のサービスやソリューションとして、日本語と簡体字中国語に完全対応する「Blue Prism バージョン6.5」、Blue Prism専門家のアドバイスを提供することで経営層からユーザー部門までのRPA化を支援する「サクセスアクセラレータプログラム」の提供を予定している。
一連の詳細は4月3日からロンドンで開催予定の「Blue Prism World」で発表を予定しているが、国内でも9月19日に東京での開催を予定している。新規および既存投資家への株式募集による1億ポンド(約143億円)の資金調達を発表し、Connected-RPA構想の推進に充てる予定だ。