オンプレミスからクラウドへの移行で言われるのが“リフト&シフト”だ。まずは現行のシステムをそのままクラウドにのせて(リフト)、その後でインフラ全体をクラウドにあわせたものにしていく(シフト)という手法だ。
TISはXenlonについて「リフト段階で技術的負債の解消、シフト段階でシステム最適化、最新化を実現し、テストを含めた確実な移行を保障するレガシーシステムのモダナイゼーションソリューション」(矢野氏)とアピールした。開発&変換ステップでは移行時のチューニングポイントを明確にすることで精度を向上させ、データベースのアクセスや文字コードといった環境の差異を吸収する部品開発を行う。
テスト&移行ステップでは新旧環境を比較して単体品質を確保するとともに、テスト実行を自動化することで作業を効率化し、段階的な移行リハーサルで品質の積み上げを目指す。同社によれば「変換率はほぼ100%、移行試算スリム化の実績値は約25%減」(矢野氏)という。シフト段階は可視化された試算情報と、自動化した開発基盤とオープン環境のメソドロジー(方法論)で継続的インテグレーション/継続的デリバリ(CI/CD)を実現する。
TISによれば、「基幹システムのクラウド移行は顧客の意識的にハードルが高いと感じている」(矢野氏)という。そのような顧客に対しては、個別にプラットフォームを提案する「クラウドプラットフォーム提供サービス」を用意。オンプレミスやプライベート、パブリッククラウドを顧客需要に応じて選択できるが、基本的にはNutanixソリューションを一番手として提案する。一見すれば、協業関係にある両社だからこそ当然の判断だが、両社の関係についてTISは「先を見据えた戦略をニュータニックスと共有している」(矢野氏)と説明した。
両社協業のイメージ
両社は同日からターゲットリストを共有した共同営業を皮切りに、3月頃には経済産業省のリポートをテーマにした共同セミナーの開催を予定している。TISの説明によれば、ハンズオンセミナーなど共同プロモーションは継続して展開するという。
9月には協業初号案件を受注し、2022年までに関連サービスを含め50億円規模の受注を目指す。同社は「顧客のレガシーシステムによる技術的負債を解消し、新サービスを柔軟に利用できる最適な環境に生まれかわることをニュータニクス・ジャパンと共に実現」(矢野氏)することを目指す。