TISとニュータニクッス・ジャパンは2月1日、メインフレームなどの企業のレガシー化したシステムを刷新する支援サービスの提供に向けて協業することを発表した。2018年に経済産業省が発表したレポートで指摘されているいわゆる「2025年の崖」問題に対応する。
両社の協業に基づくシステム刷新では、いわゆる“Lift&Shift”の“Lift(レガシーアーキテクチャからの脱却)”と“Shift(システムの最適化・最新化)”の2段階のフェーズを想定する。Liftの部分をTISの「Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービス」、Shiftの部分をニュータニックス・ジャパンがレガシー脱却後のプラットフォームの組み合わせで対応する。
協業内容のイメージ
Xenlon~神龍 モダナイゼーションサービスは、アセスメントサービス、マイグレーションサービス(Lift)、リノベーションサービス(Shift)をトータルで提供し、レガシーアプリケーションのコードをJavaなどの言語に自動的にリライトする同社の独自ツール「Xenlon~神龍 Migrator」を中核技術とする。変換率はほぼ100%でコード移行が可能で、メインフレームなどの動作を忠実に再現できることに加え、新旧比較テストによる確実な品質保証まで行うという。
レガシーアプリケーションをJavaなどのポータビリティの高い言語に変換した後、将来的なクラウド移行を見据えたオンプレミス展開、あるいは直接クラウドへの移行、ハイブリッド構成など、顧客の要望に応じたプラットフォーム提案を行なう(Shift)が、この際にTISではニュータニックスのプラットフォームを前提として顧客への提案を行っていくことで、「マルチクラウドに最適化されたシステムで新しい価値創造」が可能になるとしている。
登壇したニュータニックス・ジャパンのコーポレートマネージングディレクター兼社長の町田栄作氏は、「ユーザーはベンダーロックインを避けて『いいとこどり』をしたいと望んでいる」とし、同社のプラットフォームを活用することでオンプレミスでもクラウドとの連携でも自由に実現できる柔軟でベンダーロックインのない環境を実現できる点を強調した。
ニュータニックス・ジャパン コーポレートマネージングディレクター兼社長の町田栄作氏
また、TIS 執行役員 インダストリー事業統括本部 公共事業本部 モダナイゼーションビジネス事業部長の矢野学氏は、同社のニュータニックスとの関係が、まずは社内システム向けに同社のプラットフォームを採用するというユーザーとしての関係からスタートしたことを紹介した上で、両社のコンセプトが合致していることが確認できたことがパートナーシップの深化につながったとした。
TIS 執行役員 インダストリー事業統括本部 公共事業本部 モダナイゼーションビジネス事業部長の矢野学氏
同氏は、今後の事業計画として「2019年9月頃には協業初号案件受注につなげ、2022年までに関連サービスを含めて50億円規模の受注を目指す」としている。