Accentureは米国時間1月29日、業務運用プラットフォーム「SynOps」のローンチを発表した。これは、作業のオーケストレーションや、データ科学と業務運用の融合、デジタルワークフォースとヒューマンワークフォースの協働を支援する製品だ。
同社はSynOpsを「人と機械のオペレーティングエンジン」と呼んでおり、人、テクノロジ、データ、そしてインテリジェンスを最適化し、想像を超えるような結果をもたらすプラットフォームだという。
SynOpsを展開していくうえで、同社には有利な点がいくつかある。まず、同社はソフトウェアプロバイダー業界にも参入している。また、同社はSynOpsのアプローチを業務プロセスやIT管理で活用していくためのデータを、1000社超の顧客とのビジネスを通じて手にしている。
HFS Researchの最高経営責任者(CEO)Phil Fersht氏はSynOpsについて、ヒューマンスキルを強化できるとともに、企業が自動化やアナリティクス、AIの戦略を統合させるのを促すと述べた。
自動化や、ヒューマンワークフォースとデジタルワークフォースの融合というこのテーマは以前から具現化されており、2019年に入ってからも以下のような動きが見られる。
- Blue Prismは「connected-RPA」という戦略を明らかにした。
- Automation Anywhereはヒューマンワークフォースを、同社の「Bot Store」からダウンロードできる「Digital Workers」によって補完する、人を中核に据えたボットについて発表した。
Accentureや、ロボティックプロセスオートメーション(RPA)分野の企業は、AIの活用に向けた企業の作業構造の変革を支援しようと取り組んでいる。Forrester Researchは最近公開したレポートで以下のように記している。
AIは未来の作業に変革をもたらす。RPAによって単純な繰り返し作業のための人件費が抑えられるだけでなく、AIによって統括者は作業の組織化と管理に向けた新たな手段を思い描けるようになる。しかし、テクノロジに精通していない人たちにとってAIは複雑で不透明なものだ。AIは今日のIT構造におけるギブアンドテイク形式ではなく、ITが積極的に作業の実現方法を生み出すような統制された枠組みのなかで、テクノロジの専門家と業務運用の専門家が緊密かつ継続的に協力することを求めている。
Accentureは、財務や調達、マーケティングといった分野をSynOpsの主な対象と位置付けている。またSynOpsをカスタマイズし、既存のIT投資に統合することもできる。
SynOpsによって業務プロセスの改革や最適化の機会がもたらされる結果、投資収益の向上が可能になる。SynOpsは以下の4つの領域に注力している。
- 人と機械の能力の統合:SynOpsは、3600に及ぶ自動化ソリューションと65のアナリティクスアプリ、40のAIアドバイザーを補完、強化するために、Accentureのデータ科学者とAI専門家を含むプロフェッショナルのノウハウを活用する。
- 作業のオーケストレーション:作業を最適なかたちでボットに割り当て、作業負荷を軽減する。
- 洞察とインテリジェンス:「Accenture Insights Platform」(AIP)が持つAI/アナリティクス能力と、100を超える既存のAI/アナリティクスソリューションを統合し、優れた成果を達成するとともに、競争上の優位性を継続的に生み出す。
- 多様なデータ:さまざまな情報源からのデータの収集/監視/保存/アナリティクス/レポート作成を可能にし、リアルタイムの意思決定を支える高度なデータ分析とAIモデルの開発に向けた環境を実現する。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。