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ITアナリストが知る日本企業の「ITの盲点」

第5回:デジタルビジネスの旗振り役はIT部門か? 事業部門か?

取材・構成=翁長潤、國谷武史

2019-02-06 06:00

 本連載は、元ソニーの最高情報責任者(CIO)で現在はガートナー ジャパンのエグゼクティブ プログラム グループ バイス プレジデント エグゼクティブパートナーを務める長谷島眞時氏が、ガートナーに在籍するアナリストとの対談を通じて日本企業のITの現状と将来への展望を解き明かしていく。

 第5回のテーマは、最近ホットな領域でもある「ビジネスのデジタル化」と「ブロックチェーン活用」だ。多くのメディアで取り上げられているが、それらの言葉自体があいまいに定義されていたり、イメージで何となく捉えられたりしている風潮がある。自社ビジネスを結び付けて新しいテクノロジを有効活用するためには何が必要なのか――。2つの領域のリサーチを担当するバイス プレジデント アナリストの鈴木雅喜氏に話を聞く。

正しく「理解」することの重要性

長谷島:担当のリサーチ領域を教えてください。

鈴木:非常に幅広いのですが、ストレージ領域を長い間カバーしてきています。さらにデータそのものへの注目を継続しコンテンツ管理・文書管理分野にも携わってきました。また最近では、デジタルビジネスやブロックチェーンなどの新しい分野にも取り組んでいます。IT部門がカバーする領域が広がりを見せる中で、日本企業に役立つことを目指して日々活動しています。もちろん一人で全てカバーすることはできませんので、グローバルのアナリストも含め国内外のリソースを生かしながら取り組んでいます。

長谷島:今ホットな話題の1つが「デジタルビジネス」だと思います。デジタルビジネスの課題や今後の方向性をどう考えていますか?

鈴木:デジタルビジネスの課題は、たくさんあります。課題を一遍に捉えることはできませんから、できるだけ本質的なところを見極め、対処していくことが重要です。例えば、デジタルビジネスを推進するためには、「経営側やビジネス部門がどれだけ理解しているのか」が最大の課題の1つだと思います。

ガートナー ジャパン リサーチ&アドバイザリ部門ITインフラストラクチャ&セキュリティ バイスプレジデント アナリストの鈴木雅喜氏。製造業種で10年以上顧客と向き合う技術者あるいは開発者として経験を積み、事業企画に携わった後、1997年、ガートナー ジャパンに入社。20年間以上にわたり継続したユーザー、ベンダーの双方との会話から得た知見を基に、戦略的なアドバイスを提供している。ブロックチェーン、デジタルビジネス、ファイルの活用、文書管理/コンテンツ管理など、広範な領域を担当
ガートナー ジャパン リサーチ&アドバイザリ部門ITインフラストラクチャ&セキュリティ バイスプレジデント アナリストの鈴木雅喜氏。製造業種で10年以上顧客と向き合う技術者あるいは開発者として経験を積み、事業企画に携わった後、1997年、ガートナー ジャパンに入社。20年間以上にわたり継続したユーザー、ベンダーの双方との会話から得た知見を基に、戦略的なアドバイスを提供している。ブロックチェーン、デジタルビジネス、ファイルの活用、文書管理/コンテンツ管理など、広範な領域を担当

長谷島:デジタルビジネスという言葉があいまいに定義されていたり、イメージで何となく捉えられていたりする風潮がありますよね。

鈴木:はい。例えば、私はよく「デジタルビジネスとは何かを教えてください」という依頼を受けますが、私がプレゼンテーションを行って、それで十分というケースは、まずないと考えています。「よく分かりました」といった反応が返ってくる場合でも、「理屈は分かったが、実は腹には落ちていない」場合が多いと見ています。お客さまそれぞれの状況の中で、自ら考え、行動する必要があります。

 デジタルビジネスを推進するためには、目標を達成するまでに定められたステップごとに、より具体的な活動を進めていく必要があります。例えば、実際にテクノロジに触れてアイデアを出す。あるいは、現在のビジネスを分析した結果と技術を組み合わせ何ができるか探索するなどです。さらに、自社の将来に向けた機会やリスクの分析、アイデアに対応する実証実験。自ら進めた具体的な活動の成果を経営層に分かるように伝えることがとても重要です。

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