Appleは、広告提供者やサイトにユーザーの追跡を行わないよう求めるプライバシー設定が、(皮肉なことに)ユーザーを識別するためのフィンガープリントとして利用可能であるため、同社のウェブブラウザ「Safari」からこの機能を削除すると発表した。
この変更内容は、米国時間2月6日に公開された「Safari Technology Preview 75」のリリースノートに記されていたものだ。
「Do Not Track」の仕様は理論上は素晴らしいアイデアだとされてきたが、現実にはまったくうまく機能していなかった。
検索エンジン「DuckDuckGo」が2月5日に投稿した、同社が行った調査結果に関する記事によれば、米国の回答者のうち約23%がこの設定を有効にしていた。また、DuckDuckGoのサイトに対するリクエストの24.4%でこの設定が利用されていたという。
回答者の半分近くは、「Do Not Track」の設定は、単に追跡して欲しくないという要望を伝えるだけであることを知らなかった。
DuckDuckGoは、「Do Not Track機能は、玄関の前の庭に『家の中を覗かないでください』という掲示をしながら、窓のカーテンをすべて開けておくのと同じようなものであることが知られていないのは危険だ」と述べている。
「実際、Google、Facebook、Twitterを含む大手IT企業は、サイト利用者のDo Not Track設定を尊重していない」(DuckDuckGo)
同社によれば、回答者の72%が、企業にこの設定を尊重するよう義務づける連邦規制の制定に賛成していた。
1月30日には、Safariのエンジニアが、1つのサイトが読み込み可能なJavascriptの量を制限することについて議論を交わしている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したも のです。