一般消費者のような購買体験に加え、B2Bならではの複雑な処理もできる。「一般消費者との大きな違いは、後ろに必ず企業が居ること」(竹内氏)。おすすめを表示するレコメンデーションやクーポンなどの出し方、必要となる商品のランク、割引率など、取引先ごとの“カタログ”を出し分ける必要があるという。
担当の先には取引先がある(出典:SFDC)
購入担当が自分の情報でログインすると、表示される内容が変更。デモではロゴやサイトカラーの変更、レコメンデーションや専用のクーポンの表示など、その企業特有の設定を確認できた。
ログインした状態
顧客先の「オハナ」社向けにロゴの挿入やサイトカラーを変更
複雑な処理は受注の際にも発生するという。大量数の注文や定期的な繰り返し注文、配送先や到着日、支払い方法などの細分化、変更依頼、履歴の確認など、細かく対応できるという。
SFDCの顧客関係管理システム(CRM)と統合すれば、営業担当はウェブ上で顧客の注文や請求、配送先などの履歴をすべて統合した状態で確認できるという。過去の注文状況をタイミングや種別で可視化したグラフの活用、現在の顧客のカート内なども確認可能で、営業活動に関係する情報がウェブ上で一元管理できるという。営業担当がフォローアップしやすい環境を構築できるとしている。
オハナ社の状況が把握できる
統合のメリットは営業担当以外にもあるという。SFDCの人工知能(AI)「Salesforce Einstein」を活用したチャットボット「Einstein Bots」が活用できる。購入担当の自己解決率を向上し、営業担当などが逐次対応する必要がなくなるという。人間の対応が必要な場合でも、そのままオペレーターへとシームレスにつなげることが可能。オペレーターは情報の確認がしやすいよう、表示画面を自分でカスタマイズできるとしている。
APIを公開するほか、システム間を連携できる「MuleSoft」を活用すれば、ERPなどの他のシステムとの連携も可能。
「B2B向けのサービスがポートフォリオに加わったことで、ビジネス向け、一般消費者向け問わず、あらゆる規模の顧客向けのコマースプラットフォームを提供できる。あらゆるチャネルでスピーディーに一元化された購買体験を提供できるよう支援していきたい」(竹内氏)