最高デジタル責任者(CDO)の中心的な役割は、デジタル化を通じた既存業務の変革だ。CDOは、デジタル技術の導入によって、新たなビジネスチャンスや収入源、顧客サービスを生み出す。その手法には紙の書類をデジタル化するといった比較的ありふれたのものから事業部門の再編まで、あらゆるものが含まれる。
人材紹介会社Harvey Nashで最高経営責任者(CEO)を務めるAlbert Ellis氏によると、多くのCDOには、テクノロジ分野の経験を持たない、ビジネスを専門とする人材が任命されており、彼らはデジタルビジネスモデルの専門家だという。
最高情報責任者(CIO)の仕事と重なる部分があるとされているが、企業はデジタル変革の取り組みをテクノロジ活用による事業貢献(攻めのIT)と認識するようになり、その主導役をCDOに期待し、CIOにはIT環境の維持(守りのIT)という役割を求めるようになりつつあるようだとの見方もある。
デジタル化による組織の変革を担う役割として、経営幹部においてCDOは存在感を確立してきたとみられているが、デジタル化の進展に伴い、今後役割や意義が変化していく可能性もある。CDOの現在の位置づけとともに、今後求められる役割について、参考になる記事をまとめた。