モバイルバッテリー「Omnicharge」新製品、Qiに対応--災害時の電源確保に対応 - (page 2)

藤代格 (編集部)

2019-02-14 07:15

Omni Power Station+10X(8台装着時)
Omni Power Station+10X(8台装着時)

 Omni Power Station+は、Omni20+を5台搭載、充電できる「Omni Power Station+5X」と、10台搭載できる「Omni Power Station+10X」の2種類を用意。Power Stationと連携可能な専用のモバイルアプリとあわせて活用すると、管理者はそれぞれのOmni20+やPower Station全体などの現状把握が可能。返却システムとしても活用できるとしている。

 一つのコンセントで設置できるため、多くの人が集まる場所でのバッテリー不足、充電ポート不足などの課題を解消できるという。Omnichargeで最高経営責任者(CEO)を務めるJason Wang氏は、「古い学校などになってしまうと、コンセントを増やせないことがある。増床などの大がかりな電気工事不要で、電源を供給できる」と活用シーンを語る。

 Power Station+は、インターネットイニシアティブ(千代田区)がフルMVNOとして法人向けに提供するデータ通信サービス「IIJモバイルサービス/タイプI」を採用。顧客の利用タイミングにあわせて開始可能なSIMカードを搭載しており、法人や自治体を対象に「クラウド管理サービス」として3月11日から提供するという。イーサネットやWi-Fiとともにデバイス間の接続にモバイル回線を活用可能。遠隔での操作やロックの解除ができるとしている。

 クラウド管理サービスの利用料は、Omni Power Station+の種類や台数によって契約料金が異なる。Power Station+5Xの場合の税別料金は、1回線あたり3万5760円。Power Station+10Xは1~5回線の場合、1回線につき5万9760円。6~19回線の場合、1回線につき4万7760円。20回線以上の場合は1回線につき3万5760円。そのほか、設定上限を10台までとする初期設定料金として4万9800円が別途発生する。

 製品やクラウド管理サービスなど、すべての提供元となるシネックスジャパン(旧シネックスインフォテック、シネックス、江東区)では、Omnichargeの想定市場を“一般企業”“小売、飲食店”“官公庁、公共機関、学校”の3つに設定。働き方改革に寄与するモバイル環境や来店者への付加価値提供に加え、災害の際の避難場所へも有効なサービスとして着目しているという。

シネックスの大塚氏
シネックスの大塚氏

 シネックスのデジタル・トランスフォーメーション&マーケティング部門マーケティング本部の大塚健一郎氏は、取り扱う他社製のモバイルバッテリーも含めた傾向として「災害の後はモバイルバッテリーの売り上げは伸びる」と説明する。災害時の電源確保が課題になっていると語る。

日本での“減災”の意味も含めて、海外で“BOUSAI”が広がりつつあると語る田中氏
日本での“減災”の意味も含めて、海外で“BOUSAI”が広がりつつあると語る田中氏

 防災情報を現場から届けるべく全国の災害現場を回っているという一般社団法人防災ガールで代表理事を務める田中美咲氏は、情報伝達手段として自身が使用するPCなどのIT製品のほか、災害現場の多くの場面で給電が重要と説明。「コミュニケーションツールへの給電はもちろんだが、最近は家に入るためのオートロックの解除など、日々の生活用品に給電が必要な製品が増えている」(田中氏)。給電をはじめ、被害を受けた後の“減災”にもなり得る防災対策として、普段の生活の中にいかに取り入れていけるかが重要と語る。

 災害時のライフラインという意味での用途に加え、モバイルバッテリー自体の安全性という観点も重要になるという。「モバイルバッテリーは容量にデザイン、大きさ、搭載するポートの種類、数などの様々な検討ポイントがあるが、2月1日から電気用品安全法(PSE法)の規制対象となった。安全性への注目が集まっており、PSEマークがきちんと備わっているかが一つの基準となる」(大塚氏)

デモをするWang氏
デモをするWang氏

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