3次元CAD設計/解析ソフトウェアを手掛けるSolidWorksは2月11日、テキサス州ダラスで開催中の年次コンファレンス「SOLIDWORKS World 2019」(2月10~13日)で、クラウドを活用した新戦略「3DEXPERIENCE.WORKS」を発表した。SolidWorksと同社の親会社であるフランスのDassault Systemesが推進する技術情報共有基盤の「3DEXPERIENCE platform」を核にコラボレーションの強化と製造プロセス全般の合理化を目指す。
コラボ&合理化で中小製造業の課題を解決
今年で21回目を数えるSOLIDWORKS Worldは、3D CAD関連のイベントとしては世界最大級となる。今年は北米、欧州、アジア太平洋地域から6000人以上のユーザーやパートナーが参加した。日本からも100人超が参加した。
SolidWorksは今回のテーマに「Where Possibility Takes From」を掲げた。これまで存在しなかったモノを形にしたり、生活の利便性を向上させたりといったことを追究する可能性を示したものだ。特にベンチャーのモノ作りを支援する意味合いが込められている。
イベント期間中は100を超えるパートナーやユーザー企業が、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)技術を使った製品やフルカラーの3Dプリンタといった最先端の技術を展示する。
SolidWorks CEO Gian Paolo Bassi氏
2月11日の基調講演では、SolidWorksの最高経営責任者(CEO)であるGian Paolo Bassi(ジャン・パオロ・バッシ)氏が3DEXPERIENCE.WORKSのコンセプトについて、「複雑化する製造現場で必要なのは、製品に関わるすべての人がコラボレーションすること。これまで“点”で存在していた製造プロセスをつなぐことで、製造業の可能性を広げられる。それが3DEXPERIENCE.WORKSだ」と力説した。
「3DEXPERIENCE.WORKS」は「計画」「デザイン」「シミュレーション」「製造ERP」といった製造における4つの主要プロセスを、3DEXPERIENCE platform上で相互接続することで、製品ライフサイクル管理(Product Lifecycle Management:PLM)の合理化を目指すフレームワークである。計画から市場投入に至るまで、製品ライフサイクルに携わるすべての人が単一のプラットフォーム上でコラボレーションできる機能を提供する。
「3DEXPERIENCE.WORKS」は「計画」「デザイン」「シミュレーション」「製造ERP」を自在にコラボレーションし、製造プロセス全般の合理化を目指す