教育機関以外でも広がる活用
確かに教育機関でChromebookを導入した事例は日本を含め多数の国々で発表されています。しかし、Chromebookは教育機関向けだけに作られたものではありません。
昨今「働き方改革」や「クラウドファースト」の実現を目指す企業が増えています。企業で利用するデバイスは様々に変化しており、デバイスに依存するようなことがなくなってきました。これまで経理システムを利用するためにソフトウェアをインストールし、そのソフトウェアを実行してサーバーに接続して業務を行っていた方々が、クラウド型の経理システムへ移行し、ブラウザを開いてURLを入力してアクセスすることでシステムを利用するようになった、という方々も多いと思います。
経理システムだけではなく、勤怠管理や受発注処理など通常の業務に利用するシステムがクラウドに移行すると、利用するユーザーは端末にとらわれないデバイスフリーでのアクセスが可能になります。
そのような環境で業務をする方々が必要とするツールはブラウザですが、Chromebookはそのブラウザを動作するために作られたPCです。
筆者愛用のC302CA(出典:シネックス)
Googleの企業向けサービス「G Suite」
もう一つChrome Enterpriseに最適なサービスとしてG Suiteがあります。Androidのスマートフォンをご利用の方々にはなじみ深い、GmailやGoogleドライブなどクラウドベースのサービスの企業向けになります。G Suiteの特長は何といっても組織内での共同作業におけるコラボレーションのしやすさです。企業利用において必要なメール、ストレージ、文書作成、表やグラフ作成、発表資料作成といったツールが含まれており、これらの共同編集や共有などの機能が非常に優れています。また、ビデオ会議もカレンダーと連携して設定することで、社内、社外に関わらず円滑なコミュニケーションを図ることが可能です。
これらの機能はすべてクラウドベースのサービス、つまりブラウザでアクセスして利用するものです。G Suiteを組み合わせることにより、Chromebookのメリット、特長を存分に発揮することができます。
まだまだChromebookの可能性を発揮できるビジネスシーンはありますが、それは順次詳しく解説します。
(第2回は3月初旬にて掲載予定)
- 浜野 崇
- シネックスジャパン ソリューション営業部門 テクノロジーソリューション本部 ビジネス開発部長
- 2015年に入社。働き方改革や第3のプラットフォームなどIT市場に対して戦略的にビジネス展開を推進するために、様々なお客さまへ最適なテクノロジー&ソリューションの提供と支援を行う。海外の最先端テクノロジーのトレンドや米国での成功事例をいち早く日本市場に紹介し、付加価値を生み出すことのサポートも担当。文教市場においても豊富な経験や導入支援といった活動を通じて、日本のICT教育インフラの加速化を教育機関に対して展開している。