NTTデータは2月15日、米FogHorn Systemsとパートナー契約を締結し、エッジコンピューティング領域でIoTと人工知能(AI)を活用したコンサルティングとインテグレーションのサービス提供を開始すると発表した。2020年度までに500億円規模の売り上げを目指す。
新サービスは、製造や通信、エネルギー業界の企業を対象に、高度な機械監視や設備保全の業務の実現を目指すという。生産ラインなど業務現場に近い“エッジ”でAI処理を行うFogHornのソリューションをプラットフォームに採用し、リアルタイム性の高い機器データなどを分析することで、迅速な異常検知や予兆把握を可能するインテリジェンスを提供するとしている。

サービスイメージ(出典:NTTデータ)
FogHornは、エッジAIインテリジェンスを専業すると新興企業。既存設備に隣接する形でデータ収集・解析などの独立した環境を用意し、ストリーム処理による解析に必要なデータの整理と、ルールベースや統計関数、機械学習、深層学習による高度なモデル化を可能にするという。NTTデータはこれにより、既存設備の稼働に影響を与えずAIを活用する環境を実現できると説明している。
一般的な大量データの収集・蓄積とAIによる分析・活用の仕組みでは、データの発生場所とクラウドのデータセンターによる構成が多いが、低遅延・高速処理やクラウドへのデータ転送に制約があるケースでは、データの発生場所に近い「エッジ」で中間的な処理を行う構成が有効とされる。
NTTデータは、新サービスの提供先とする業界では、設備監視や点検業務、品質管理などにおけるAI/IoT活用が期待される反面、ミッションクリティカル性の高いシステムや機器が運用され、上述の一般的な構成ではAI/IoT活用が困難だとし、エッジの仕組みが適していると解説する。
また同社は、先行して2018年12月から設備保全・保守業務の高度化サービス群「デジタルメンテナンスソリューション」を提供しており、ここでもエッジ領域のAI活用が重要な技術要素と強調している。