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ユーザー部門の方が多い--複数の開発プロセスで業務自動化狙う富士フィルムHD

阿久津良和

2019-02-20 07:00

 富士フイルムホールディングス(HD)は富士フイルムグループと富士ゼロックスグループを含めた全グループ横断でロボティックプロセスオートメーション(RPA)導入を推進している。同社グループは製造業だが、富士フイルムHD 経営企画部 IT企画部長 柴田英樹氏は「ブルーカラー領域の改善活動は継続して取り組んできたが、RPAの登場に伴い、ホワイトカラー領域でも業務改革が可能になった」と表現した。

 柴田氏は1月30日に開かれたイベント「#UiPathForward Japan」に「RPA案件、発掘の方法とは?」という講演に登壇。富士フイルムHDのRPAへの取り組みを解説した。

 2017年度に入ると業務プロセス改革(BPR)とRPAツール「UiPath」を組みあわせた業務改善の効果を測定。その結果、一定の効果と適用領域が多岐にわたることを確認し、2018年度から全社展開に着手した。

富士フイルムホールディングス 経営企画部 IT企画部長 柴田英樹氏
富士フイルムHD 経営企画部 IT企画部長 柴田英樹氏

 モデレーターが「誰が、どのように要件定義するか」と尋ねると、柴田氏は先の取り組みを説明しつつ、「トップダウンアプローチで業務自動化要件を発掘しながら進めている。だが、RPA適用範囲や効果が出ないジレンマもあり、現在はユーザー部門側でもアプローチを開始し、現場の課題を解決する手法も併用中」と回答した。

 「RPA化の判断基準」について問われると、柴田氏は「効果設定やゴールは、最初のアプローチとしてKPI(評価指標)を設定し、金額を含めた削減効果の定量効果を測定してきた。この姿勢は現在も変わらず、経営層のROI(投資利益率)も厳しいため、詳細に詰めている。さらにPL(損益計算書)ベースで実績を可視化。まとめると、ROIを定量的に定義できるかを基準にしている」という。

 モデレーターによる「開発担当者は誰か」という質問に対して柴田氏は、情報システム子会社とユーザー部門による双方でのアプローチと説明。子会社であれば低コストで開発できる。ユーザー部門は初級トレーニングなどを施し、一定の開発を可能にするサポートを用意しているという。

 この差異について柴田氏は「使い分ける理由は難易度。たとえばERP(統合基幹業務システム)など複数システムの連携オペレーションはIT部門が主導で開発し、部門内で閉じた業務はユーザー部門」が取り組んでいるという。

 RPAを取り巻く現状について、柴田氏は「試行錯誤段階だが、IT部門が開発するスピード感やロボット数と、ユーザー部門の開発能力を比べると後者が圧倒的に多い。何が最適なのは検討すべき課題だと考えている」と現場だからこそ分かる課題解決法に一定の利があると意見を述べた。

 最後に聴講者へのメッセージを求められると柴田氏は、「『現場の業務を把握しているキーマンの巻き込み』『業務プロセスの効率化・自動化の視点』『「ライセンス契約、基盤整備、PMO(プロジェクト管理オフィス)などCoE(Center of Excellence)の機能・役割」』の3つが重要。一見すると当たり前のことばかりだが、2年間RPAに取り組んできた結果」(柴田氏)と実直な感想を語った。

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