機械学習の活用でDDoS攻撃に自動防御--A10ネットワークス

渡邉利和 2019年02月22日 10時34分

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 A10ネットワークスは2月21日、機械学習によるDDoS(分散型サービス妨害)攻撃の自動防御を実現する「A10 One-DDoS Protection」と、1Uサイズで最大220Gbpsのスループット性能を実現した100Gbpsインターフェース搭載の専用アプライアンス「A10 Thunder 7445 TPS」を発表した。

 A10 One-DDoS Protectionは、同社のDDoS対策ソリューション「A10 Thunder TPS(Threat Protection System)」などの機能を強化するもので、ベースとなるOS「ACOS」の機能拡張として実装される。このため、利用に当たっては対象製品のソフトウェアバージョンを最新版に更新すれば、追加ライセンスなどは不要で利用できる。

 A10 Thunder TPSは、フローコレクタとして機能する「aGalaxy-TPS」などと連係し、DDoS攻撃の緩和能力を提供するアプライアンス。フローコレクタはルータなどからフロー情報の提供を受け、DDoS攻撃の発生を検知してThunder TPSに対応を指示し、Thunder TPSはルータに経路変更をリクエストしてDDoSパケットを引き込み、対応を行うというのが従来のアーキテクチャだった。

 A10 One-DDoS Protectionでは、同じネットワーク上に存在する「Thunder CFW(Convergent Firewall)」「Thunder CGN(Carrier Grade NAT)」「Thunder ADC(Application Delivery Controller)」などの、従来はDDoS防御に直接関与していなかった機器でDDoS攻撃の検知を可能とする。

従来構成と新たな構成の変化(出典:A10ネットワークス)
従来構成と新たな構成の変化(出典:A10ネットワークス)

 同社のDDoS対策製品はキャリアなどの大規模なネットワークに採用される例が多く、こうしたユーザーはネットワークの経路途中に新たな機器を挟み込むことに慎重なため、Thunder TPSもインラインに設置される例がほとんどなかったという。この場合、DDoS攻撃の検出はルータのフロー情報に基づいて行うため、トラフィック量が急増するボリューム型攻撃は検知できても、比較的小ボリュームで上位のアプリケーション層を狙って攻撃するような高度な攻撃に対する対応は難しかった。

 A10 One-DDoS Protectionは、インラインに設置されている既存のファイアウォールやロードバランサ上で稼働し、パケットを直接チェックしながらDDoS攻撃かどうかの判定を行えるため、従来は検知が難しかった攻撃を的確に判断できるという。さらに、機械学習によって平常時のアクセスパターンを学習し、これと異なるパターンを検出した際には攻撃を自動判定できる。

A10ネットワークス ビジネス開発本部長 兼 エヴァンジェリストの高木真吾氏
A10ネットワークス ビジネス開発本部長 兼 エヴァンジェリストの高木真吾氏

 製品を説明したビジネス開発本部長 兼 エヴァンジェリストの高木真吾氏は、「従来のDDoS対策は保護対象のリソースを指定したり、攻撃検知のためのしきい値を設定したり、攻撃の状況を見ながら適切な緩和処置を選択したりといった運用管理者の手作業が膨大で、高度な技術力を要するものだった」と指摘し、A10 One-DDoS Protectionの機械学習機能によって自動化を実現することで運用管理担当者の負担が大幅に削減できるとした。

 なお、同時に発表されたThunder 7445 TPSは、1Uサイズで220Gbpsの防御性能を実現したDDoS対策専用アプライアンス。既存のハイエンドモデルでは、Thunder 14045が3Uサイズで300Gbpsという性能を実現しているが、Thunder 7445は1U当たりの処理性能で2.2倍に向上しており、1U当たりの性能では同社製品で最高性能となっている。

A10ネットワークス 代表兼社長 米国本社ヴァイスプレジデント兼務の川口亨氏
A10ネットワークス 代表兼社長 米国本社ヴァイスプレジデント兼務の川口亨氏

 なお、冒頭で事業概要についてA10ネットワーク 代表兼社長 米国本社ヴァイスプレジデント兼務の川口亨氏は、国内事業が堅調な成長を続けており、グローバルの中での日本法人の売上が24%ほどで米国に次ぐ2位であることを紹介した。また個人的なポリシーとして、「日本法人を運営していく上では米国本社との直接レポート体制が確立されていることが不可欠である」との考えに基づき、米国本社から見て無視し得ない重要な地域という評価を維持し続けるためにも、グローバル売上高に占める日本の比率で24~25%を維持していくと語った。さらに、今回の発表内容を踏まえて「2019年の注力分野として、DDoS対策市場でナンバーワンを目指す」とした。

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