サイバー諜報の最新事情--標的型攻撃のターゲットは数も種類も増加傾向に

Danny Palmer (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2019-02-26 06:30

 標的型攻撃を活発に行っているハッキンググループはさらに大胆になっており、大規模なキャンペーンで標的になっている組織の数は3割ほど増加していることが明らかになった。

 新たなグループが台頭していることに加え、攻撃グループがネットワークに侵入するための優れた戦略を開発していることで、活発に活動しているグループの標的になっている組織の数は増加している。2015年~2017年には平均42組織だった標的の数は、2016年~2018年では平均55組織になったという。

 これらの数字は、Symantecが毎年発表している「Internet Security Threat Report」で明らかになったものだ。もっとも悪質なトップ20のハッキンググループは、活動に自信をつけつつあり、より多くの組織を狙うようになってきている。

 Chafer、DragonFly、Gallmakerなどのグループは、価値がある情報を持っていると目される企業から情報を盗むため、対象を絞ったハッキングキャンペーンを実施している。

 企業ネットワークへの侵入に最新のゼロデイ脆弱性が利用されるケースは減りつつあり、現在では、悪質なコンテンツを添付した、電子メールによるスピアフィッシングが使われることが増えている。

 また、これらの諜報グループは非常に攻撃に熟練しており、ネットワークへの侵入後は、実績がある手段を使って活動している。

 Symantecのセキュリティ対応部門ディレクターOrla Cox氏は、ZDNetの取材に対して「彼らはネットワークに侵入するための効果的な手順を知っており、その後企業ネットワーク内を移動して、求めている情報を手に入れるための方法も持っていると言える」と語った。

 さらにCox氏は、「このため彼らは効率的で、また彼らの行動は企業内の通常の活動に非常に似ているため、発見が難しくなってきている」と付け加えている。

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