Adobe Asset Linkは、画像編集ソフトウェア「Adobe Photoshop」やベクターイメージ編集ソフトウェア「Adobe Illustrator」、DTPソフトウェア「Adobe InDesign」に拡張機能を追加し、AEMへ直接アクセスすることで、アセット編集を可能にするというもの。AEM上の素材を各アプリからチェックアウト(編集)し、編集時はロックをかかることで他のユーザーによる競合を避ける仕組みも備える。チェックアウト(アップロード)後はタイムラインで過去の編集バージョンを確認し、必要であれば以前のバージョンにも書き戻せるという。
AEM Desktop AppはローカルPCにインストールすると、メニューバーや通知領域にAEMのアイコンが加わり、接続先サーバの設定でmacOSのFinderやWindows Explorerを使用して、AEMで管理するアセットを任意のアプリで編集、閲覧できる。両者の機能を通じて、「クラウドベースで履歴やコメントのやり取りといった(アセットの)一元管理が可能になる」(安西氏)と語る。

AEM Desktop Appの概要
Fluid Experiencesの文脈ではコンテンツ配信サービスを強化するため、“ヘッドレス配信”を実現する「Content Services」と、SPA(Single Page App)によるオーサリングを可能にする「SPA Editor」、デジタルサイネージなどのコンテンツ配信を管理する「In-Store Experience」が新たに加わった。
ここでいうヘッドレス配信は「Headless CMS」とも呼ばれるREST APIでコンテンツを提供するCMSを指す。ウェブページを構成するHTMLとデータを分岐し、JSON形式などでデータを管理する。SPAはJavaScriptフレームワークを使用し、単一ページでコンテンツを切り替えるアーキテクチャ。身近なところではFacebookやGoogle MapがSPAを用いており、アドビシステムズも「最低限の差分だけ読み込み、コンテンツを表示するSPAは企業からの需要も多く、対応しなければならない」(安西氏)という。

Content Servicesの概要
アドビシステムズの説明にあるとおり、Content ServicesはモバイルアプリやIoTアプリで利用可能なJSON形式の出力に対応。SPA EditorはJavaScriptフレームワークである「React」や「Angular SPA」に対応し、最終的完成図をAEM上で管理、編集する機能だ。
スマートフォンやタブレット用のプレビュー機能も用意し、PC版とは異なるレイアウト(横並びの画像をスマートフォンなら縦積みにするなど)の設定が可能になる。

SPA Editorの概要