従来はDDoS攻撃をaGalaxyや他社製フローコレクタ製品が検知すると、ルータへネットワークの流れをThunder TPSに変更してスクラビング処理を経たデータを下流に流していた。
One-DDoS Protectionが有効なネットワーク環境では、Thunder CFWなどがサービスやアプリケーションに近い位置で攻撃を検知し、aGalaxyへ検知シグナルを送信するため、検知範囲がさらに拡大する。高木氏は「通常やサービスやIPなど保護対象の事前設定が必要だが、One-DDoS Protection有効時は、保護対象となるサービスの自動探知で運用効率が向上する」と説明する。同社の説明によればフローベースと比較してDDoS攻撃の検知速度が30秒から1分ほど速まるという。
ディストリビューテッドディテクション有効時のDDoS攻撃緩和ロジック
機械学習を利用したDDoS攻撃対策であるIAは、平常時のネットワークトラフィックを継続的に学習し、異常検知の判断基準となるしきい値を自動的に設定する(手動設定も可能)。トラフィックの状態に大きく左右されるが、学習に要する期間は1週間程度を見込んでおり、ACOS側に学習エンジンを搭載するため若干のパフォーマンスダウンが発生してしまうが、同社は今後クラウド活用も検討しているという。
One-DDoS Protectionは、セキュリティインシデント発生時は自動的に防御設定を施すが、それでも攻撃を防げない場合は自動的に防御レベルを高める仕組みも持つ。攻撃終了を検知してセキュリティインシデント終了と判断した後はインシデントレポートを自動生成する。同社は「通信事業者など大規模ネットワークを運用する企業など、サービスを限定して保護したい顧客向けソリューション」(高木氏)とOne-DDoS Protectionの有用範囲を示した。