SAP、「SAP Leonardo IoT」を発表--業務アプリとIoTをシームレスに連携

末岡洋子 2019年02月26日 10時02分

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 SAPは2月25日、スペイン・バルセロナで開催中の「MWC 2019(旧称Mobile World Congress)」で、「SAP Leonardo Internet of Things(IoT)」のローンチを発表した。またMicrosoftと提携し、MicrosoftのIoTデバイス管理「Microsoft Azure IoT Hub」とクラウド間の相互運用性を実現することも発表した。

 SAPは、“守り”の基幹システム(ERP)に対する“攻め”のイノベーション技術群として「SAP Leonardo」を持つ。2017年にSAP Leonardoが発表された際、ブロックチェーンや機械学習などとともにIoTも入っていた。

 SAPでIoTのグローバルトップ兼シニアバイスプレジデントを務めるElvira Wallis氏は、「SAPは以前からIoTと言ってきた」と述べながら、今回のSAP Leonardo IoTについて、顧客、パートナーの声を反映させたと説明する。それにより、「事業部の業務アプリケーションとIoTのシームレスな連携、そして、業務を中断することのないデジタルコアの拡張、その他のインテリジェント技術をプラットフォームに統合して新しいビジネスモデルを構築する」などのニーズに応じるという。

 業務アプリケーションでは、S/4 HANA、C/4 HANAに加え、SAP SuccessFactors、SAP Ariba、SAP Digital Supply Chainポートフォリオなどの製品と組み合わせて使うことができる。

 SAP Leonardo IoTは、SAPが2018年に打ち出した「Intelligent Enterprise」構想を強化するものでもある。Intelligent Enterpriseは、SAPが得意とするビジネスプロセスに人工(AI)を活用するもので、Leonardo IoTと組み合わせることで自動化や機械学習、そしてIoTをビジネスプロセスに組み込むことができる。クラウドとエッジの両方を効果的に使い、マシン、サプライチェーン、フィールドサービスなどに活用できる。

 メリットが大きいと見るフィールドサービスでは、特にオフライン機能や時系列データが重要になるとWallis氏。問題のレベルに応じて外部のフィールドサービス、内部のサービスと自動で振り分けるようなことも可能になるという。SAPは、フィールドサービス分野で2018年にCore Systemsを買収、C/4 HANAのService Cloudとして提供している。

 Microsoftとの提携では、IoTテレメトリーデータの接続とデバイス管理にMicrosoftの「Azure IoT Hub」を使い、SAP Leonardo IoTにリレーさせることができる。将来は「SAP Leonardo IoT Edge」で、Microsoftの「Azure IoT Edge」ランタイムの上でビジネスプロセスを動かすオプションも提供するという。SAP Leonardo IoT EdgeベースのビジネスファンクションをMicrosoft Azure IoT Edge上のコンテナで動くようにする計画も発表している。

 なお、Microsoftとの提携は独占的なものではなく、「別のベンダーとも同じようなことを実現していく」とWallis氏は述べた。

 IoTではスポーツジムの機器の使用率など、主として追跡や使用状況を見たり、オペレーションの可視化によく使われたりしているという。今後は規制が変更された際に、すぐに対応できるブロックチェーンなどでも事例が増えると予想する。機運が高まる5G(第5世代移動体通信システム)については、「特に低遅延に期待している企業が多い」とWallis氏は語った。

 こうした取り組みの土台となるSAP Cloud Platform(SCP)については、プロダクトマーケティング担当バイスプレジデントのDaniel Lahl氏が説明した。

 モバイルアプリ開発では、「SAP Cloud Platform SDK for iOS」(最新版は3.0)、「SAP Cloud Platform SDK for Android」(同バージョン2.0)に加えて、「Mobile Development Kit」(SAP Cloud Platform Mobile Services)として、iOSとAndroidの両方のプラットフォーム向けにネイティブアプリを開発できるキットを提供する。また、SCPを使ったアプリの開発、運用、実装などを支援する「SAP Discovery Center」で、容易に開発をスタートできるという。

 「顧客はどこも、機能開発に時間がかけられない。アジャイル環境で迅速にイノベーションを進め用としている」とLahl氏。SCPでは、顧客がすぐに開発に着手できるシナリオを用意するなどして支援しているという。

SAP IoT担当グローバルトップ兼シニアバイスプレジデントのElvira Wallis氏(右)とSAP Cloud Platform担当プロダクトマーケティング担当バイスプレジデントのDaniel Lahl氏
SAP IoT担当グローバルトップ兼シニアバイスプレジデントのElvira Wallis氏(右)とSAP Cloud Platform担当プロダクトマーケティング担当バイスプレジデントのDaniel Lahl氏

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