石油大手のExxonMobilはクラウドや機械学習、モノのインターネット(IoT)を利用してパーミアン盆地での事業の利益を拡大する取り組みの一環として、Microsoftとパートナーシップを結び、「Microsoft Azure」や「Dynamics 365」をはじめとするさまざまなツールを利用していくと発表した。
提供:ExxonMobil/XTO Energy
Microsoftにとって、ExxonMobilとのクラウドに関する契約は重要なものだ。今回の契約は、複数のアプリケーション、クラウドサービス、製品を売り込む「Microsoft 365」戦略が、大企業からの契約獲得につながることを示している。しかしより興味深いのは、この契約が今後どのように展開するか、そして石油の採掘量と効率の改善という目標を達成できるかどうかだ。
ExxonMobilの子会社であるXTOは、Dynamics 365、Microsoft Azure、機械学習、IoTを使って、パーミアン盆地の石油産出地域の利益率を高めようとしている。ExxonMobilはパーミアン盆地でこれらのテクノロジを活用するが、その範囲は160万エーカー(約6500平方km)以上の広さに及ぶ。
プレスリリースによれば、この取り組みはパーミアン盆地での事業で「今後10年の間に数十億ドルの価値を生む」可能性があり、2025年までに生産量を1日当たり5万バレル増産できる可能性があるという。ExxonMobilは2018年1月に、パーミアン盆地での採掘量を2025年までに3倍にすることを目指すと述べている。
パーミアン盆地はニューメキシコの南東、テキサス州西部にある鉱物資源が豊富な9万平方マイル(約23万平方km)の土地で、1920年代前半にその重要性が認知された。パーミアン盆地は米国最大規模の油田を抱えるとされる。
ExxonMobilは石油・ガス業界最大の企業で、より効率的な生産を可能にするために、これまでにもデータ、IoT、ハイパフォーマンスコンピューティングのインフラを整えてきた。3大クラウドプロバイダー(AWS、Microsoft Azure、Google Cloud Platform)のすべてがこの業界を狙っている可能性がある。
同社は今回のパートナーシップを基盤として、Azureを利用して数百マイルの範囲に散らばったオイル採掘用の現場資産からリアルタイムデータを収集する。このデータはその後、掘削作業、油井、人員や、メンテナンスの最適化に利用される。
ExxonMobilは、油井の最適化やパフォーマンスの改善を実現するために、「Azure Data Lake」などをはじめとするMicrosoftプラットフォームや現場向けのアプリなどを利用している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。