本記事は楽天証券が提供する「トウシル」の「TOP 3分でわかる!今日の投資戦略」からの転載です。
今日のポイント
- バリュー投資とグロース投資、どっちが魅力的?
- 株価が割安な銘柄を選べば、投資リスクはある程度抑えられる
- 三大割安株に注目
これら3点について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。
バリュー投資とグロース投資、どっちが魅力的?
最近、東証マザーズ上場のバイオ関連株の急騰急落が話題になっている。1月21日に1万2730円をつけていたサンバイオ(4592)は、新薬の治験失敗が伝わると、連日のストップ安となり、2月27日には2800円まで下がった。
一方、国内初の遺伝子治療薬が承認される見通しとなったアンジェス(4563)は、2月20日に635円をつけていたが、連日の急騰で、26日には一時1320円をつけた。
両社とも、赤字企業である。将来、大きく成長する可能性を持つ企業だが、これからも期待や失望で急騰急落を繰り返すと考えられるので、投資リスクは高く、初心者向けの投資対象とは言えない。
株式投資の代表的スタイルは、2つある。1つはグロース(成長株)投資、もう1つはバリュー(割安株)投資だ。読者は、どちらのスタイルに近い方だろうか?
筆者には、25年の日本株ファンドマネージャー経験がある。投資信託、年金などで、20代は1000億円、40代には2000億円以上の日本株ファンドを運用していた。
筆者は、主に割安株への投資で、ベンチマーク(競争相手)であるTOPIX(東証株価指数)を上回るパフォーマンスを上げてきた。割安株をコアとして長期保有しながら、成長株で短期売買を繰り返しつつ、サヤを稼ぐことを目指していた。
株式投資の初心者は、まず割安株投資から開始した方が良いと思っている。最初の候補は、配当利回りの高い大型株だ。小型成長株も面白いのだが、小型成長株には値動きの荒いものが多く、注意を要する。
小型成長株の株価変動(イメージ図)

出所:筆者作成
上のグラフでは、成長株の株価変動イメージを3つの時期に分けて描いた。
(1)黎明期:成長期待があるがまだ利益がほとんど出ない時期
(2)成長期:利益が大きく成長する時期
(3)成熟期:最高益更新が続くものの、増益率が大幅に鈍化する時期
このグラフは、成長株の成功事例をイメージして描いている。黎明期から成熟期まで長く持っていれば、高いリターンが得られる。ただし、それでも投資タイミングが悪いと、短期的に大きな損失を被ることがある。それが、グラフで赤い矢印をつけたところだ。
ここで描いたのは、あくまでも小型成長株の成功事例である。このように黎明期から成長期に移行していくことが分かっているならば、バタバタ売り買いしなくても、じっくり長期投資すれば成果が得られる。
ただし、現実にはこのようにうまくいく銘柄ばかりではない。黎明期が続いているうちに成長ストーリーが崩れ、成長期に入ることなく消えていく銘柄も多数ある。実際、過去のITバブルやバイオバブル相場では、投資家の熱い期待を受けつつ、成長せずに消えた銘柄が多数ある。