伊藤忠商事は、RPAソフト「UiPath」を導入し、社員の生産性の向上と高付加価値業務へのシフトを進めている。2019年1月現在、69業務で83のロボットが稼働している。UiPathが2月26日に発表した。
伊藤忠商事は、2017年春ごろから、RPA(ロボティックプロセスオートメーション)の検討を開始。同10年に初期投資費用を少なく抑えられるという理由から、UiPathの導入を決めた。ロボット開発者を7人育成し、2018年4月には全社展開のためにCOE(Center of Excellence)チームをIT企画部内に立ち上げた。
情報取集、出荷帳票処理、保険取扱といった各業務で自動化を進めている。
情報取集では、ウェブサイトから1商品ごとの市況情報を取得して処理する作業をロボットで自動化した。取得した情報をもとに閾(しきい)値超過判定を行った後にExcelへ転記し、閾値を超過していれば担当者へメールを送信する作業をロボットが代行する。その結果、年間148時間に相当する作業の削減に成功し、それまで2品しか情報収集できなかったものを6商品まで対応できるようになった。
出荷帳票処理では、外出先から送受信するデータをもとに出荷帳票を作成して印刷する作業を自動化した。これにより年間140時間に相当する作業を削減できた。また繁忙期の作業時間を標準化でき、引継ぎ時の手間も軽減されるなどの副次的な効果もみられた。
保険取扱では、保険会社より保険金支払い予定データをメールで受領後、基幹システムに連携し、保険金支払通知書を出力。その後、各担当部署へ支払通知書と入金予定データを添付してメールを送信という一連の処理を自動化した。これにより、担当者の業務負荷を軽減している。