RPAツールを提供するKofaxは、次世代プラットフォームとして「Kofax Intelligent Automation(Kofax IA)」を推進している。RPA本体に加え、人工知能(AI)や機械学習、光学文字認識(OCR)、自然言語処理(NLP)なども活用する。
Kofax IAは、従来のRPAに「コグニティブキャプチャ」や「データ分析」などの機能を統合し、より幅広い業務領域でのプロセス連携を可能にする統合基盤。コグニティブキャプチャでは、OCRなどを使って非構造化データを構造化データに変換する。非定型の書類フォーマットを機械学習させることで、テンプレートなしで読み込ませることも可能になる。文書やコンテンツなどの非構造化データがRPA導入の障壁になっているという。
Kofax IAの構成イメージ
RPAはプラットフォームの中核を担うツールだ。反復的な業務をソフトウェアロボットに代行させることで自動化する。3月18日に最新版となる「Kofax RPA 10.4」を一般向けにリリース予定。新機能には、ロボットのバージョンと構成の管理、展開、バックアップを可能にするライフサイクル管理、人間とアプリケーション間のやりとりを追跡するプロセスディスカバリなどがある。管理コンソールが日本語化され、ユーザーエクスペリエンスの改善が図られる。また、2019年第1四半期には同製品の12カ月無償トライアルも提供する。
2月19日には、Kofax IAの機能強化に向けて、イスラエルのTop Image Systems(TIS)と、米国のNuance Document Imaging(NDI)を買収すると発表した。両社が保有するOCR技術やSaaS機能などをプラットフォームに組み込んでいくとしている。
第2四半期には、Kofax IAをリリースするほか、デジタルマーケットプレイス/AIエコシステムの展開を始める。その後もKofax IAのクラウド対応(第3四半期)を進め、ロボットに自然言語処理や音声処理を実装できるように機能拡張する予定。
Kofaxの製品ロードマップ
多くの企業は、大規模な労働力の再編成が進行中であり、従来のツールだけでは十分に対応することができなくなっている。企業のデジタル変革に向け、AIで武装したデジタルワーカーを活用して、業務の生産性を向上していく必要がある、と最高戦略責任者のChris Huff氏は指摘した。
「2019年1月に“Work Like Tomorrow”(未来の働き方を今日から)というスローガンを掲げた。Kofax IAでデジタルワークフォースなどの未来の働き方を取り入れる企業を支援し、労働力を強化していきたい」(同氏)
Kofax 最高戦略責任者のChris Huff氏