IBMのサイバーセキュリティチームであるIBM X-Force Redが、ブロックチェーンをテストするサービスを発表した。企業はこのサービスを利用することで、実装しているブロックチェーンを監査したり、そのセキュリティを強化できるようになる。
分散台帳技術として知られているブロックチェーンは、ブロックとコンピュータノードというかたちで、仮想通貨の交換だけでなく、情報の移送のためのピアツーピアネットワークとして機能する。
こうした技術は現在、仮想通貨以外のアプリケーションへの利用を想定する多くの企業の関心を集めている。
非可逆的な取り引きを実現し、改ざんが困難な状態でデータをセキュアなかたちで記録するというブロックチェーンの能力は、スマートコントラクトや、法的サービス、電子決済、マイクロトランザクション、国際的なローミングアプリに有益となり得る。
エンタープライズや新興企業は一様に、自社のインフラや製品にブロックチェーンを活用する最善の道を模索している。IBMの調査によると、近年におけるブロックチェーン実装の70%は、認証やデータ処理、APIを含むプロセスで非台帳システムに依存しているという。
X-Force Redは米国時間3月5日、この新たなサービスがブロックチェーンのセキュリティに焦点を当てるものであり、「迅速に成長しているブロックチェーン技術の(こういった)実装」をよりセキュアなものにするうえで役立つだろうと述べた。
IBMは、「ブロックチェーンは少し変わったところからITの世界に入り込んできている。つまり、その設計主眼はブロックチェーン内に保持される情報とプロセスに対する信頼とセキュリティの構築というところにある」と述べ、「しかしこれによって、一部の実装において、ブロックチェーン以外の部分でもセキュリティが確保されているという仮定が置かれている」と続けた。
ブロックチェーンをベースにした製品のバックエンドプロセスや台帳自体は、いずれもテストの対象となる。チェーンコードや公開鍵インフラ(PKI)、ハイパーレッジャー、アプリ、物理ハードウェアはすべて評価対象となる分野だ。
同サービスでは以下のものが評価される。
- ブロックチェーン上の情報へのアクセス権限や、ブロックチェーンへの情報の追加権限を管理する方法
- パスワードのポリシー、つまり2要素認証(2FA)が実装されているかどうか
- PKIや、デジタル証明書の配布システム
- スマートコントラクトにおけるセキュリティ上の欠陥や弱点
- ソフトウェアサプライチェーンに対する攻撃
このサービスは既に提供が開始されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。