地域活性化に向けたビジネスパートナーになれるか
今回の協業スキームについて、大塚商会は次のように説明している。
同社は地域金融機関と協業することにより、各金融機関の担当者のITスキル向上のための研修を実施し、IT活用ノウハウを提供。地域金融機関が主催するそれぞれの顧客企業を対象としたイベントやセミナーへの協力も行う。また、顧客企業からの要望に応じて、各種ITシステムの提案やサポートも担うとしている。
一方、この協業により、地域金融機関は顧客企業の課題や悩みを受け、当該企業の具体的な企業価値向上のための有益なITソリューションに関するアドバイスとファイナンスツールの提供が可能となり、地域企業や経済の発展のため地域金融機関に期待される社会的役割に応えることができるとしている。
大塚商会と地域金融機関の協業スキーム(出典:大塚商会)
なお、平塚信用金庫によると、大塚商会が金融機関と今回の協業形態であるビジネスマッチング契約を締結するのは、これが初めてのこととしており、今回の契約も信用金庫の中央機関である信金中央金庫のサポートがあったことを明らかにしている。つまり、今回の動きは信金中央金庫と大塚商会のつながりがベースにあるといえそうだ。
そうした内情はさておき、今回の動きはユーザーサイドから見てどのような意味があるのか。地域金融機関は先述したようにさまざまな課題を抱えているが、一方で地域活性化の中核を担う存在としての信頼と期待は依然として高い。そこにITソリューションで地域に密着してきた大塚商会がビジネスパートナーとして加われば、地域活性化の強力な後押しになる可能性は十分にあるだろう。その意味で、今回の協業スキームは非常に興味深いものがある。果たして、うまく機能するか。注目しておきたい。